2012/08/30

じゃらんの売上を拡大するには?

じゃらんは言わずと知れた国内最大級の国内・海外旅行ポータルです。運営企業はこれまたゼクシィと同じリクルートです。じゃらんはリクルートにおける第四創業期と言われるネットビジネスの模範的成功例です。
じゃらんのビジネスモデルはこうです。旅行代理店や個々の宿泊施設にローラー営業をかけてツアーやホテルの宣伝をさせてもらう。その広告を再編集してユーザーが選びやすいポータル「じゃらん」を作り、ユーザーがツアーや宿泊を購入すると手数料をもらうというビジネスモデルです。もしかしたら掲載企業から手数料以外にも月額料金などを徴収しているかもしれません。これはじゃらんと掲載企業のちから関係になりますが、じゃらんに掲載している旅行代理店と掲載していない旅行代理店では全く集客力が変わってくるでしょうから、おそらく徴収できているのではないかと推察します。

じゃらんのビジネスモデルの詳細や現在の地位獲得までの軌跡は他へ譲るとして(こちらを参考にしてください)、もっと事業を拡大するにはという観点で考えてみたいと思います。


まずは事業拡大のアイディアを出すために、切り口を考えます。フレームワークとして、ユーザーがこのサービスを利用するのはどういったとき(Time)で、どこで(Place)利用しているのか、なぜ利用するのか(Occasion)という切り口で分析する「TPO」を使ってみます。

Time(時間)

どのようなときにユーザーがじゃらんを使うかという切り口ですが、これには少なくとも二通りの切り口があります。どのようなときに旅行に行くのか、そしてどのようなときに旅行を予約するのか。

・どのようなときに旅行に行くのか

土日を利用して、祝日込の三連休、夏季・冬季休暇、リタイヤ後、大学卒業旅行といったところがメインストリームでボリュームゾーンではないでしょうか。このへんはツアーなどの商品も充実していて競争も激しいので新しいコンセプトのツアーを組むくらいしか変更の余地はないでしょう。
あまり旅行を考えない領域となると、平日業務終了後、始業前などといったプチ旅行といえる時間帯も開拓できるかもしれません。都内の会社勤めの人をターゲットと考えると、以外に知られていない都内の歴史的建造物とか寺社仏閣の歴史ツアーなどが考えられるかもしれません。

・どのようなときに旅行を予約するのか

じゃらんや他のネット旅行ポータルを利用するのはおそらく仕事から帰宅後や土日に自宅でというパターンが多いでしょう。ではネットを使わないのはどういう時かというと会社帰りや土日に旅行代理店の窓口を利用するケースが考えられます。まだじゃらんや楽天トラベルではカバーできない領域ですね。
旅行代理店の窓口に流れている顧客を獲得するために、同じように窓口を設けてというのもひとつの戦術です。ただし、代理店は競合を嫌がってツアーの販売を委託しなくなるかもしれませんね。

少し視点を変えて、旅行代理店の窓口業務を一括して受託するというのもアイディアとして考えられます。ひとつひとつの代理店では収益性が足りないせいか、駅前一等地ではなくて少し離れた雑居ビルなんかに窓口を構えていることが見受けられますよね。じゃらんの窓口を通して売る仕組みにすれば、じゃらんは複数の旅行代理店から複数のインカムラインを作ることができるので安定し、代理店側も窓口という固定費を削減できるのでリスクを減らすことができます。双方にメリットがありますが、代理店側は自社のブランディングを考えるとあまり積極的ではないかもしれませんが、顧客の流れをつかめればゼクシィと同じように代理店側に圧力をかけられます。

TPOのTまでですが、長くなったので次に繋ぎます。

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2012/08/29

ゼクシィの売上を伸ばすには?

昨日ポストした結婚情報誌「ゼクシィ」の続きです。

ゼクシィが「古い業界破壊系」ビジネスで、ターゲットとする顧客の消費者を集客し購買行動をコントロールすることにより、売上を確保するにはゼクシィに広告を出稿せざるを得ない状況を作るというビジネスモデルでした。ある種の市場支配なので、市場が大きすぎない規模(または規模を地理的要素などで分割できる)であること、旧来の商習慣に固執していることが必要条件になりますね。



さて、昨日の記事にもありますが、結婚の絶対数が減少してきているのでゼクシィのビジネスも頭打ちになっています。さらに、経済の低迷から式にあまりお金をかけなくなる傾向も拍車をかけています。そんな状況でどのように売上を増やせるでしょうか。


売上は簡単に言うと、顧客数×一回あたりの購入額×購入頻度(量)です。

購入頻度を増やすには
結婚ビジネスでカップル一組あたりの購入回数を増やすというのは不吉な話に聞こえますが、離婚を期待するということではなくて結婚10周年イベントや50周年イベントという節目の祝いをターゲットにするということです。ゼクシィと同じように雑誌やウェブの媒体を提供し、◯周年記念イベントを行いたい消費者を集客して、その媒体への広告出稿をホテルや結婚専門式場に促します。このビジネスの媒体となる雑誌やポータルを作るべきでしょう。10周年、50周年の人が結婚情報誌を手に取ることはまずありませんからね。リクルートという会社で見れば、その年代の既婚者をターゲットとしているメディアがあるかもしれませんから、その雑誌やネット媒体と共同で情報発信をして消費者を集客するのがよさそうです。


さて、ここまではあくまでホテルや結婚専門式場をお金を払ってくれる顧客として捉えた場合のビジネスモデルでした。実際に結婚するカップルを顧客とした場合はどんなビジネス展開ができるでしょうか。ゼクシィは結婚総合雑誌というブランディングもあるので、結婚というイベントと同時期によく購入されるもの、例えば賃貸を含む新居や保険、マタニティ関連グッズやサービスを直接提案、または業者から広告を募るというビジネスが考えられます。ここまで書いてゼクシィnetを見てみたら、とっくにこの辺は手をつけているようですね。。さすがです。


一回あたりの購入額を上げるには
客単価を上げるということは、顧客であるホテルや式場からの出稿料を上げるという最もシンプルな方法がありますが、市場が縮小している現状なんの理由もなく単価を上げるのはまず無理です。単価を上げるのが難しいとすると、一度に購入する商品を増やすということになります。ゼクシィの例で言えば、広告を出稿した企業に対し、ネットポータルでの式場予約受付と決済を行うサービスを提供し、手数料を受け取るというビジネスモデルが考えられます。


また、雑誌への反響やゼクシィポータルサイトからの情報により、結婚式と披露宴の市場動向を情報として把握しているでしょうから、ホテルや式場、そしてブライダルプランナー向けにコンサルティングビジネスを展開することも可能でしょう。


顧客を増やす
最後に顧客を増やすという視点で売上を伸ばす方法を考えてみます。まず、結婚したいカップルの数は基本的に増えません(キッパリ)。まあ今後結婚ブームとかが起きる可能性はなきにしもあらずですが、それよりも少子化のインパクトのほうが大きいでしょう。そうすると、「結婚したい」とは別の顧客を見つけて来る必要があります。しかも最終的に結婚につながるような顧客です。そうすると、まだ結婚には至らないカップル向けのデート情報ポータルなんかはどうでしょう。長く付き合っているとデートコースがマンネリ化しがちなので、デートコースを提案するサイトは需要がありそうです。ここでもゼクシィと同じように紹介するデートコースのレストランなりデートスポットから広告料や手数料を取るビジネスが展開できそうです。プロボーズコースみたいなデートコースを作って、これを利用したカップルにゼクシィポータルへ誘導していくということができれば面白そうです。

結婚前のカップルがあるなら、同じようにお見合いも狙えるかもしれません。ただ、最近はお見合い市場も結構アツようなので、競争が激しそうですね。

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ゼクシィのビジネスモデル

リクルートは言わずと知れたメディア・広告業界の大手企業ですが、中でも結婚情報誌「ゼクシィ」は大成功したビジネスのひとつでした。そのゼクシィ成功の軌跡がこの記事によくまとまっています。

独り勝ち・「ゼクシィ」商法の光と影、今や強者の驕りも垣間見え (東洋経済オンライン)

バブルが崩壊したばかりの1993年ゼクシィは創刊されました。定価があたりまえだった高級ホテルや結婚専門式場への客足はぱったり減り、同時にハウスウエディングが登場した頃でした。アットホームで欧米風の新しいブライダルスタイルが生まれたわけですが、いかんせん新しいビジネスだったので集客が必要でした。そこで同時期に誕生した新しいもの同士である結婚情報誌ゼクシィに出稿し、集客をしたのです。この新興勢力に対し、ホテル・結婚専門式場は、「何やら新興勢力が騒いでおるわ」みたいな高みの見物だったようで、ゼクシィには広告を出稿しないという態度を貫いていました。

しかし、この新興勢力に顧客を奪われ始めると、危機感を感じたホテルや結婚専門式場も出稿を始めます。そして出稿料は高騰を続け、1ページ100万円に達したそうです。


古い業界を破壊するビジネスモデル実は最近のネット系ビジネスはゼクシィに類似した、「古い業界破壊系」のビジネスが多く見られます。ゼクシィは紙媒体ではありますが、基本的には同じ構造です。どういったビジネスモデルかというと、

1. 企業とユーザーの間に情報の非対称性が見られる業界を選択する
2. ユーザーに圧倒的有利なプラットフォームを作り、ユーザーを集客する
3. そのプラットフォームを利用した企業だけにユーザーを送客する

ということになります。単純化すると。

実はこのビジネスモデルの類似系は至るところで生まれていて、たとえば不動産仲介のSUUMOやぐるなび、引越しのやリフォームの見積サイト、保険の見積サイトもこの範疇に入ると言えるでしょう。


1. 企業とユーザーの間の情報非対称性
あまり競合間の競争が激しくない業界では、企業側とユーザーの間に情報の非対称性を作り、利益を確保するという構造があります。結婚式場がまさにそうで、ハウスウエディングとゼクシィが侵略してくるまでは定価販売が当たり前で、わざわざ式場に出向いて長時間営業を受けながらでないと見積を取ることができない業界でした。当然平日仕事を持っている人がほとんどなので、現実的に、比較は数社に限られたでしょう。むしろ比較しない人も多かったかもしれません。これは情報を出し惜しむことによって競争を避けていたということです。当然ユーザーにはデメリットしかありませんが、他も同じなので業界の通例に従うしかありません。先に上げた「古い業界破壊系」ビジネスのターゲットになった例はみな同じような理由でユーザーがデメリットを被っていました。

2. ユーザーにメリットのあるプラットフォーム
この情報非対称性を解消された場所があるとすればユーザーは大きなメリットを享受できます。結婚式場の例で言えば、予めメニュー化されたプランと価格が手に入るのならば、結婚式場に出向く必要がなくなるので多くのプランを比較する選択の自由度が高まりますし、類似プランは価格競争の対象となるので値段も下がっていいことづくめです。なので、ゼクシィは結婚式場選びのプラットフォームを目指して出版されました。最終的なターゲットはホテルや結婚専門式場だったのでしょうが、当然自分たちのビジネスモデルを破壊するゼクシィに喜んで出稿するわけがありません。最初の釣り餌として利害が一致したのがハウスウエディングだったのでしょう。

3. プラットフォームを利用した顧客だけに送客
最後の仕上げはユーザーの導線の掌握です。ゼクシィはプラットフォームを作りそこにユーザーを集めることにより、ユーザーの導線を握りました。そしてゼクシィに出稿する企業に送客することによりゼクシィへ出稿していない企業をエコシステムから追いやり、出稿を迫る圧力をかけました。


教訓になるのは、ゼクシィにとって顧客はホテルや式場ですが、その先の顧客である結婚したい男女を集客し、本当の顧客であるホテルや式場を集めたということです。とてもクレバー。つまり、『顧客のエンドユーザーを集客し、エンドユーザーを顧客へ送客する経路を握る』ビジネスモデルということです。
他の切り口で言うと、『企業→ユーザーというパワーバランスを逆転させて、ユーザー→企業にする仲介役を担うビジネスモデル』という言い方ができるかもしれません。いろんな業界やビジネスモデルに転用できそうですよね。


ビジネスモデルまとめ:
『顧客のエンドユーザーを集客し、エンドユーザーを顧客へ送客する経路を握る』
『企業→ユーザーというパワーバランスを逆転させて、ユーザー→企業にする仲介役を担うビジネスモデル』


今回はゼクシィのビジネスモデルについて見てきましたが、明日はこのビジネスモデルを他に展開するには?もっとゼクシィのビジネスを拡大するには?というアイディアを考えてみたいと思います。


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2012/08/28

一般人が先生になる時代 コーチマッチングビジネス

職場近くのエクセルシオールで向上心旺盛と思わしき若い会社員の方が、英語ネイティブの外国人から言語をレッスンを受けている光景をよく見ます。ネイティブ・スピーカーから語学を習いたい人と教えたい人をマッチングするサイトは昔から存在していたことは知っていましたが、今はそれだけでなく楽器演奏やPC講座など、多岐にわたるレッスンを(本職にしていないという意味で)素人の先生が生徒に教えるケースが増えているようです。そしてその裏には、素人先生と生徒をマッチングするビジネスがありました。

日経MJ(2012/8/27 16面)〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(素人先生と生徒の)2人を結び付けたのは、コーチ・ユナイテッド(東京・渋谷)が運営するサイト「Cyta.jp(サイタ・ジェーピー)」。2011年6月に開設、楽器や語学、カメラやランニングなど130ジャンル、約2千人のプライベートコーチが登録する。最大の特徴は生徒と講師がサイト上で直接やり取りをし、レッスンの時間と場所を決めていく自由度の高さ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

講師と生徒をつなぐポータルサイトがあり、教えたい技術を持っている人が講師登録して生徒からの応募を待ち、生徒は自分が興味を持っている分野の講師を探してレッスンを申し込みます。Cyta.jpはあくまでもその両者をつなぐ場と決済を提供しているだけで、レッスンの内容などにはかかわりません。そして、レッスン毎に手数料を徴収するというビジネスモデルです。

 他の本格的なスクールと比較した場合、生徒からすると、
・本格的なスクールよりも安価に受けられる
・講師候補が沢山いるので自分に合いそうな講師を選べる
・一回毎の支払いなので気軽に講師を変えたり受講をやめられる
というようなメリットがあります。

一方、講師からすると、
・レッスンの日時を自分の都合で決められる
・複雑な契約が不要で手軽に始める事ができる
・レッスン代などはCyta.jpが回収してくれるので金銭トラブルが起きにくい
というメリットがありそうです。

このビジネスの構造自体は特に新しいものではなく、いろんな講座を提供しているといえばこれまでにもカルチャースクールというものがあり、より特化した講座といえばトレーニングジムにおけるエアロビクスやボクササイズがあります。しかし、ネットと言う媒体を使ってこの講座・レッスンビジネスを提供することにより、上記のようなメリットが生まれました。

さらに、Cyta.jpは講師を採用するわけではないのでレッスンの採算性を気にする必要はありません。そのおかげでインドネシア語などのマイナー言語やマイナー資格でも講座を提供することができるんですね。他のカルチャー・クラブなどでも講師にレッスン毎の報酬を支払う採用形態にすれば問題ありませんが、箱物の固定費がかかってしまいます。Cyta.jpは箱物の固定費がないので、コアで受講者が少なそうな講座でも維持することができてしまう。それが却っていろんな講座がサイト上に並び、生徒に楽しさを提供しているかもしれません。

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2012/08/26

表参道ヒルズは一貫性のある戦略の好例

表参道は2006年にオープンした地上3階、地下3階の商業施設です。オープンしてからすでに6年も経っていますが、今更ながら初めて足を踏み入れました。何の気なしに遊びに行っただけですが、表参道ヒルズが大人の憩いの場というポジショニングで一貫性のある戦略をとっているので感心してしまいました。

週末夕方の客層を見る限り訪問客は20代〜40代の男女にかなり集約されていました。他のモールや商業施設のようにシニアやDINKSや子供連れのファミリー層が混在しているということはなく、統一感のある客層です。表参道ヒルズは30〜40代の男女をターゲットにしているようなので、見事にターゲット客層を呼び込めているようです。

ターゲットとする客層を呼び込むため、表参道ヒルズは立地、施設のハードウェア(外観)、ソフトウェア(サービスや雰囲気)をターゲットに合わせて見事にミックスさせています。



まずはハードウェア=建物です。建物全体は、コンクリートをまむき出しで使用するデザインで著名な安藤忠雄事務所のデザインです。無骨ながらハイセンスで、色数が少ないのでシックにまとまっています。気疲れがしないので長く滞在していてもあまり疲労は無さそうです。まわりの並木に合わせて建物自体は低く設計されており、通りに調和しているので、最初はそれが表参道ヒルズとは気づかないほど自然でした。


立地はどうかと言うと、周りは有名ブランドショップが立ち並んでおり、自然そういった場所でショッピングを楽しむ可処分所得が多い中高年が多そうです。表参道ヒルズのメインの客層と言えるでしょう。しかし、表参道ヒルズ周辺はオフィスビルが少ないようで、また、他の商業ビルのように表参道ヒルズ自体にオフィスエリアが無いので平日は集客が厳しいでしょう。最上階のレストランフロアも単価が高く会社帰りに寄るような店舗は見受けられません。そういった意味では土日の集客をメインに考えているのでしょう。


次にソフトウェア要素である店舗です。軒を列ねている店舗は、ヴィトンやエルメスなどの誰でも知っているようなメインストリームなブランドではなく、比較的知る人ぞ知るのような 通好みのブランドが多いようです(私がブランドに疎いだけかもしれませんが・・・)。また、大人向けの雑貨店もいくつか取り揃えられ、珍しい品揃えです。この店舗のチョイスは違いがわかる大人、またはそうありたいと思っている人を引き付けそうです。表参道ヒルズの店舗誘致は森ビルのリーシング営業部門がダイレクトに行なっているようで、店舗の統一感というか、大人が落ち着いて楽しめるまとまりのある商業施設になっているのはこのリーシング営業の仕方によるものかもしれません。 


そして、非常に印象が強かったのは、トーンを抑え目にしたBGM。たまに環境音楽のようなBGMも流れていました。若者向けの商業施設のように4つ打ちの音楽が大音量で流れていないので、落ち着いてゆったり買い物ができます。結果、滞在時間を伸ばす効果もあるかもしれません。また、真ん中が6階層分吹き抜けになっているので音が響いてBGMや環境音が心地よく響いていました。このBGMの効果のせいか、商業施設にはあまり似つかわしくいない、安らぎや憩い、という感覚を得ました。


表参道ヒルズはとにかく他と比べて対象となるターゲット顧客層がはっきりしていて、そのためのハードウェアとソフトウェアがしっかり戦略を表していると感心しました。ターゲットをきっちり絞込み、その顧客層が好むハードとソフトを揃えるという基本的な戦略実行の好例だと思いました。

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2012/08/25

ビジネスプロデューサーと社会的意義

私は今B to BをメインとしたIT企業で新規事業の企画と立ち上げを検討していて、目下修行中の身なのですが、5年〜10年のキャリアプランとしてはビジネスプロデューサーというのを目指しています。ビジネスプロデューサーという言葉はコンセンサスのとれた定義はまだないようですが、私のなかでは自分が見つけてきたビジネスシードから企画、または人が作ったビジネス企画を実現可能なビジネスモデルを作り上げ、立ち上げて商品なりサービスを販売にこぎつけて(0→1)、企業内でそれなりにインパクトのある売上に育て(1→10)、ビジネスを収益化する(10→100)まで携わる役割だと考えています。そして主体となる企業にとってはアウトサイダーの立場から支援するアドバイザリーの役割であるのがベストだと思います。

ビジネスプロデューサーという役割を痛切に必要だと感じたのは、日本の産業の問題点です。製造業であれば、日本の製品は小型かつ高性能でリーズナブルな価格ですが、売り方やブランディングという要素が弱く、Appleのようなエコシステムを作ることを苦手としています。 ITにしても、新しい要素技術は高いレベルを持っていたとしても、それをビジネス化するのは必ず米国で、米国で普及し始めると日本でそれを真似てビジネス化し始めるパターンばかりです。もちろんビジネス化する能力の差は多少あるかもしれませんが、この差はトライ・アンド・エラーの数の違いによる量稽古と確率の違いに過ぎないのではないかと思うのです。

こうした状況を打破するには、やはり日本もどんどん新しいビジネスを興さなければいけません。普通の企業、とくに古い体質の内資企業では新規ビジネスを立ち上げるというのは特別なイベントになってしまっているでしょうから、どんどんトライしてどんどん失敗することが必要だと思うのです。そこでビジネスの立ち上げという一番難しいフェーズをガイドし、失敗するにしてもうまく失敗してくれるビジネスプロデューサーというガイドが必要ではないでしょうか。

ビジネスプロデューサーという存在が定着し、当たり前のように利用されるサービスになると、日本のビジネスシーンが活発化してくるのではないかと思います。

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Apple iPhone CMの妙

ほとんどの方が一度は目にしたことがあると思いますが、AppleのCMはiPhoneやiPadを使う気を起こさせるという意味で、非常に秀逸です。


CMを見ていただければわかると思いますが、まず製品が必ずCMの中心に存在し、画面のなかでも必ず真ん中に位置しています。ナレーションの言葉は少なげですが、 映像からあきらかになんの製品についてのCMなのかがすぐに分かります。

テレビCMは特に広告作成者の表現の場になってしまっていて、映像としては面白いけど何に関するCMなのかが全然わ からないことがあります。たとえば、SONY ExperiaのCMを見ると、なにやら暗闇の中で電飾で光ったダンサーが踊っているのですが、最後にならないと商品の全貌が出てこないため、なんの商品 のCMなのかすら分かりません。


メリットの訴求の仕方も全然違います。iPhoneのCMの基本のフォーマットは、利用シーンを全面に押し出して誰 がなんのためにiPhoneというツールを使うのかが明確です。たとえばあるCMではiPhoneのカメラで旅行中に子供の写真を取り、 iCloudで共有するというようなCMパターンがありました。


また、iPhoneのCMでは、ユーザーが操作している視点から製品紹介をしていて、利便性を表現しています。画が わかりやすいので説明が少なくても、iPhoneの使い道はすぐに理解できるようになっていますよね。一方SONY Experiaではさんざんカッコイイ踊りを見せたかと思えばそれで終わりで、何を理由にユーザーはExperiaを選ぶべきなのか、というところに大し て答えがありません。もっとユーザーが使うべき理由を作ってあげないといけないのです。


不思議なもので、あれほどデザインに気を使うAppleが、CMになるととってもシンプルです。変にスタイリッシュさを出そうとせずに、とにかく視聴者がiPhoneを使ってみたいという気持ちを持たせることに全力を集中しています。

本来CMの目的は商品に視聴者の興味を持たせることです。ダイレクトレスポンスが重要で、どれだけ反応があるかということがCMの価値の大半なのです。


サムスンのGalaxyNoteのCMでも、思い切りAppleのCMをパクっています。それだけ優れたCMのフォーマットなんですね。

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2012/08/24

過去のボツ企画 クラウド名刺SNS その2

さて、前回のエントリーの続きです。
私が以前企画していたクラウド名刺ビジネスについて書いてきていますが、
前回まではそれがどのようなサービスであるか、とどのようなメリットが
あるのか、ということを説明してきました。
今回はこのサービスのターゲットと、そのターゲットへの売り方、そして
キャッシュポイントをどこに設けるかについて書いてみたいと思います。
 

このサービスでは個人が基本の単位になるので、個人についてまずは
スポットライトを当ててみましょう。
このビジネスのターゲットは、まずは必要条件として名刺をよく使用する
(交換する、整理する、連絡先を探す)人でなければなりません。
さらに、こうした技術を比較的抵抗感なくIT系やWeb系の仕事をしており、
職種としては営業職など他社との交流が多い人物、というような
プロファイルを描いていました。
そして、このようなターゲットに影響力を持っていると考えられる
アルファブロガーと販促を仕掛けるということも構想していました。
 

個人の利用に関するキャッシュポイントの儲け方ですが、まずはじめに
浮かんだの本人性が重要なので、本人確認書類などを通して個人を認証し
アカウントに認証マークをつけるサービスを考えました。
ツイッターのCertifiedアカウントみたいなものですね。
さらに、アカウントで管理できる名刺枚数に制限を設け、月額課金する
こともできるようになります。
 

一方、ターゲットとして企業を忘れてはいけません。
社員個人の人脈を活用することが出来れば、営業フェーズにおける
顧客の情報収集や、ビジネス拡大の際のアライアンス・パートナーの発見
など、間違いなく役立てることができます。
そのためには社員がその会社に所属しているという証明が必要になります。
そのプロセスを有料サービス化することができるでしょう。
また、社員個人の人脈となると膨大なDBになるので、この情報を
見える化し検索しやすいUIにおとしこみ、この使用料に 課金ということも考えていました。
他にも、採用活動でも活用でき、収益化することを検討していました。
当時は見送りになしましたが、未だに結構行けるんじゃないかな、と思う企画でした。





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2012/08/22

過去のボツ企画 クラウド名刺SNS

かつて私がまだ日々ビジネスシードを探して企画に明け暮れていた頃、
個人的に可能性を感じていたものの陽の目を浴びることができなかっ
た企画がありました。
それはビジネスマンが日々交換企画している名刺をクラウド名刺で置き
換えるプラットフォームを提供するという青写真でした。

当時もクラウド名刺サービスと呼ばれるものはありましたが、どちらか
と言うと名刺管理の手間を省力することにフォーカスされているもので
あまり使いたくなるようなものじゃなかったんですよね。

私が練っていた企画では、ただ紙の名刺をリプレイスするだけでなく、
SNS機能を持たせることによってビジネス人脈のネットワーキングを
向上させようという意欲がありました。


どのようなサービスかというと、クラウドの名刺交換プラットフォーム
を構築し、ユーザーはスマホや専用デバイスを用いてアカウントを交換、
あるいは赤外線やNFCでアカウント(名刺)を交換するというサービスです。
ビジネス用途で本人性が重要なので、リアル個人情報を元にアカウントを
振り出すことを前提に考えていました。

紙名刺をリプレイスするには相当に簡便なプロセスで名刺を交換できない
といけないので、専用端末がいいのか、いやいやでも専用端末じゃ普及に
時間がかかるのではないか、とか、QRコードはどうだという現実的な線
も考えつつ、いやいやそれでは新鮮味がないのでは、など悩んでいました。

単純に名刺を交換して自分のアカウントに交換したことのある名刺を表示
するだけでは脳がないので、さらにSNS化することによって個人の人脈を
管理したり、FacebookやTwitterのアカウントも紐付けて個人と社会人の
垣根を破壊していくようなサービスを考えていました。

人脈は第三次産業における大きなソフト資源だと思うので、人脈という
資源を増幅しやすい環境を作ってサービス業を中心に盛り上げることに
より、日本経済に貢献できればいいなと漠然と考えていまいした。


次に、サービスが個人と企業にとってどのようなメリットをもたらすかに
ついてです。

個人としては、ベーシックなメリットとして名刺管理を簡単にするという
点がまずありました。
まあ、これは大衆にアピールしやすいというのと、考え方が硬い社内へ
のアピールポイントという部分が多分にありましたが。

個人に大きなメリットがあるだろうと考えていたのは、転職をしても消え
ない人脈、そして人脈のup-to-dateの情報を維持することができる点と、
SNS機能を使って企業とのマッチングに使えるというポイントでした。

前者については、一応転職などで会社を去る際にはその会社で気づいた
人脈(名刺)は捨てなければならないことが原則です。
会社というくびきのために人脈という資産を捨てるのはナンセンスです。
人脈もその人物の価値なのですから。

他にも紙名刺の問題点はあります。
紙名刺は本人が昇格してり転職しても自動的に書き換わりません。
そういうイベントがあれば営業職の人はアプローチするきっかけになる
でしょうし、自分の持つ人脈の持つ力を把握しておくことは、人脈を
活用する上で不可欠です。

クラウド名刺ツールならば、会社を変えても人脈はそのまま維持できる
し、相手の情報も常に最新の情報がもらえるわけです。
これは新たにビジネス立ち上げようといった場合にアライアンスを
探すのにすごく役立つと思います。

また、転職活動のあり方も変わってくるでしょう。
個人の実績や職歴がクラウド名刺サービスに溜まってくると、面接という
前時代的なあるいみ騙し合いみたいな部分があるプロセスは不要になり、
マッチングにより採用が決まっていく事により以前よりよっぽど効率的
な転職・採用プロセスに確信されるかもしれません。

もちろん企業にもメリットはあります。
クラウド名刺プラットフォームを活用することにより、企業はこれまで
個人の所有物と化していた人脈を総体的にまとめ、自社の資産として
活用することができるようになります。

人脈を視覚化するという点では人脈をスパイダーウェブで表示するよう
なサービスはありますが、これを企業単位でできればとても大きな
資産になるでしょう。

営業としてはこれからアプローチを掛ける会社にも何らかの形でつながり
を発見できる可能性が高くなり、アプローチしやすくなるでしょうし、
採用ではより自社にマッチングした人材が見つけやすくなるでしょう。
新規事業をすすめる際にも必要なスキルセットを持った人材を集めやす
いはずです。


さて、どんなサービスかというところまでしか書いていませんが、
長くなってきたので次回へ。





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じゃらんは高級会員サービスを展開できるか?

リクルート社の提供する日本最大級の宿・ホテル予約サイト「じゃらん」。
私も何度か使ったことがありますし、結構利用したことのある方は
多いのでは?


さて、このじゃらんのビジネスモデルはポータルサイトを設け
そこに宿泊施設を探しているユーザーと宿泊サービスを提供したい
宿・ホテルを呼び込み、マッチングして手数料で稼ぐビジネスモデルです。

じゃらん単体の売上規模はわかりませんが、ホットペパーなどを含む
日常消費部門の売上は 約1000億円です。
じゃらんのみでは最低数十〜数百億円は売り上げているでしょう。


ではこのじゃらんのメインターゲットはどのような人でしょうか。
基本的には若年〜壮年カップルからファミリーも対象となるような宿泊施設
やプランのラインナップになっています。
そして、経済状況についてはミドルインカムあたりをターゲットにしている
ようです。

登録されている情報をみるとそこそこ高級な宿泊施設もありますが、セレブ
が泊まるような宿泊施設は登録されていません。
利用者もそのようなセレブはじゃらんを利用しないでしょうし、ホテル側も
ターゲットが存在しないじゃらんに登録する意味はないということでしょう。


じゃらんの会員数は900万人いるようです。
家庭に1アカウントあれば十分なので、2000万ユーザーにリーチしていると
考えていいでしょう。
楽天の7000万人という会員に比べると小さく見えますが、旅行は単価が高く、
それなりの収入がないと購入できないサービスなので、飽和に近い状態かも
しれません。

ここから売上を伸ばすには

1. 会員の旅行頻度
2. 商品ラインナップを広げる(たとえば旅行保険とか旅行グッズ販売)
3. 単価を上げる
4. 新たな会員を増やす

というポイントに絞られます。
効果が高そうなのは、新たな会員を増やすということでしょう。
特にいまカバーできていないセレブ顧客の会員化がよさそうです。
商品ラインナップ拡充や購入頻度を高めようとしても、結局は同じ財布からの
支出を増やそうとしているので、景気や競合する余暇の過ごし方に左右され
やすいです。
新しい会員を増やせば別の財布が生まれることになるので、カニバルことも
ありません。

ではセレブ会員を増やすにはどうすればよいでしょうか?
ターゲットの性質を考えると、買い物ツアーなんかよりも美術館や歴史を
学べるようなツアーのような企画モノサービスがフィットしそうです。
ホテルについても、 安ホテルは選択肢から排除して、ハズレのない高級
ホテルのみを紹介したほうがよさそうです。

そうなるとポータルは分けたほうがよさそうですね。
ブランド名も庶民的な「じゃらん」とは差別化したほうが良いでしょう。
高品質サービスにこだわるのであれば、会員費を取るビジネスモデルも検討の
余地があるかもしれません。





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