2012/08/26

表参道ヒルズは一貫性のある戦略の好例

表参道は2006年にオープンした地上3階、地下3階の商業施設です。オープンしてからすでに6年も経っていますが、今更ながら初めて足を踏み入れました。何の気なしに遊びに行っただけですが、表参道ヒルズが大人の憩いの場というポジショニングで一貫性のある戦略をとっているので感心してしまいました。

週末夕方の客層を見る限り訪問客は20代〜40代の男女にかなり集約されていました。他のモールや商業施設のようにシニアやDINKSや子供連れのファミリー層が混在しているということはなく、統一感のある客層です。表参道ヒルズは30〜40代の男女をターゲットにしているようなので、見事にターゲット客層を呼び込めているようです。

ターゲットとする客層を呼び込むため、表参道ヒルズは立地、施設のハードウェア(外観)、ソフトウェア(サービスや雰囲気)をターゲットに合わせて見事にミックスさせています。



まずはハードウェア=建物です。建物全体は、コンクリートをまむき出しで使用するデザインで著名な安藤忠雄事務所のデザインです。無骨ながらハイセンスで、色数が少ないのでシックにまとまっています。気疲れがしないので長く滞在していてもあまり疲労は無さそうです。まわりの並木に合わせて建物自体は低く設計されており、通りに調和しているので、最初はそれが表参道ヒルズとは気づかないほど自然でした。


立地はどうかと言うと、周りは有名ブランドショップが立ち並んでおり、自然そういった場所でショッピングを楽しむ可処分所得が多い中高年が多そうです。表参道ヒルズのメインの客層と言えるでしょう。しかし、表参道ヒルズ周辺はオフィスビルが少ないようで、また、他の商業ビルのように表参道ヒルズ自体にオフィスエリアが無いので平日は集客が厳しいでしょう。最上階のレストランフロアも単価が高く会社帰りに寄るような店舗は見受けられません。そういった意味では土日の集客をメインに考えているのでしょう。


次にソフトウェア要素である店舗です。軒を列ねている店舗は、ヴィトンやエルメスなどの誰でも知っているようなメインストリームなブランドではなく、比較的知る人ぞ知るのような 通好みのブランドが多いようです(私がブランドに疎いだけかもしれませんが・・・)。また、大人向けの雑貨店もいくつか取り揃えられ、珍しい品揃えです。この店舗のチョイスは違いがわかる大人、またはそうありたいと思っている人を引き付けそうです。表参道ヒルズの店舗誘致は森ビルのリーシング営業部門がダイレクトに行なっているようで、店舗の統一感というか、大人が落ち着いて楽しめるまとまりのある商業施設になっているのはこのリーシング営業の仕方によるものかもしれません。 


そして、非常に印象が強かったのは、トーンを抑え目にしたBGM。たまに環境音楽のようなBGMも流れていました。若者向けの商業施設のように4つ打ちの音楽が大音量で流れていないので、落ち着いてゆったり買い物ができます。結果、滞在時間を伸ばす効果もあるかもしれません。また、真ん中が6階層分吹き抜けになっているので音が響いてBGMや環境音が心地よく響いていました。このBGMの効果のせいか、商業施設にはあまり似つかわしくいない、安らぎや憩い、という感覚を得ました。


表参道ヒルズはとにかく他と比べて対象となるターゲット顧客層がはっきりしていて、そのためのハードウェアとソフトウェアがしっかり戦略を表していると感心しました。ターゲットをきっちり絞込み、その顧客層が好むハードとソフトを揃えるという基本的な戦略実行の好例だと思いました。

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