2012/09/27

アイディア発想法まとめ3

昨日の続きで、島田 始氏の著作「僕たちはアイデアひとつで未来を変えていく。(アスコム)」から、9つのアイディア発想法の残り5つについて紹介していきます。


□フォーカスチェンジ発想法
フォーカスチェンジ発想法は、これまで焦点をあてられていなかった価値に焦点をあててみる発想法です。例えば、今となってはほとんど使われないテレホンカードに焦点を当てたのが福山ニューキャッスルホテルです。このホテルでは、宿泊料金に余ったテレホンカードを使うことができるというプロモーションを行いました。カードの額面通りには換金できないのでしょうが、ホテルとしては少し宿泊料金を割り引いた程度で損はないのでしょう。これで顧客の来店動機になればしめたものです。顧客としても使わないテレホンカードを宿泊料金にあてることができて、ラッキーと思うことでしょう。まさにwin-winの関係ですね。
また、一昨日のビジネスにおけるアイディア出し方法論まとめで紹介した例ですが、デジカメの機能競争が激しさを増してきてほとんど差別化が図れなくなってきたときに、カシオは小型化に特化して競争を回避しました。このように、いままであまり重視されていなかった価値にフォーカスをあてることで、その価値に魅力を感じる一定数の顧客のハートを射止めることもできるのです。

□アンチユビキタス発想法
モビリティやインターネットの発達で、世界の距離と時間はどんどん縮小していく傾向にありますが、あえて、というか、だからこそ「いま・ここだけ・あなただけ」の価値を生み出す発想法です。今現在、大半の商品は当たり前のようにユビキタスの方向へ進化するように仕向けられています。例えば食品はより多くに人に買ってもらうために、どこでも手に入るように流通戦略を考え、消費期限が伸ばせるように研究開発を行います。そのために本格的な味や素材本来の風味というのが犠牲になっています。むしろこれらの価値を最大限高め、代わりにいま・ここだけ・あなただけの商品にすることにより多くのコアなファンを生み出すことができます。

□ミキシング発想法
発想法としてはベーシックなテクニックですが、意外性のある異質なもの同士を組み合わせて新しい価値を提案する方法です。例として本書で紹介されているのは、海外ウェディングです。いまでは当たり前ですが、当たり前ではなかった時代では「海外旅行」と「結婚式」を結びつけるという考えは意外性があったのです。
重要なのは、面白い組み合わせを思いついたらそこから深く検証し、顧客にとってどういう価値をもたらす可能性があるかをよく考えることです。ただ面白そうだと思って手を出すのはただの無謀ですし、深く考えずに「まあ、無理だよね」とあっさりアイディアを捨ててしまうのももったいなすぎます。海外旅行と結婚式の組み合わせもアイディアを思いついた人は沢山いたかもしれません。でもほとんどがその場限りのよもやま話で終わってしまい、そのままアイディアを捨ててしまったのでしょう。本気でどういう価値を顧客にもたらすのかを考えて、その価値を提案したのは雑誌「Hanako」だったのです。

□バズ的発想法
SNSやコミュニティを通じての口コミを上手く使おうというアイディア発想法です。今の時代、とても重要な考え方だと思います。単純に自分たちの商品やサービスの紹介をお願いしたり、写真撮影とSNSへの公開を許可すればいいというのではなく、もう一捻りして、どうすれば顧客が取り上げたくなるかを考えるのです。面白かった事例が、あるビアガーデンでアサヒとキリンのその日出たビールの本数をスコアボードに書いて表に張り出すという事をしました。数字はリアルタイムに書き換えていきます。これをみれば、お客は自分の好きなメーカーを応援するために注文を増やしますし、通りかかりの人もついつい写メをとってツイッターやフェイスブックに流したくなりますよね。こうした仕掛けを考えるのがバズ的発想法です。

□デザイン発想法
今の時代はニーズを満たす商品は身の回りにあふれ、コモディティ化しています。ニーズを満たすだけの没個性的商品は価格競争で勝負するしかなくなります。しかし、ニーズを満たすだけの商品の洪水に飽きた私たちは「そう、こういうのが欲しかった!」というウォンツを満たす商品は高額でも手にしてしまうのです。例えば最近リリースされたiPhone 5がそうです。Apple全商品に言えますが、同じカテゴリの商品と比べて比較的高価にもかかわらず、新商品が出るたびに大きな話題になりファンが我先に手に入れていくのです。私もiPhone4Sの残債がある身でありながら迷わず予約してしまいました。
こうしたウォンツを満たすことによって売れている商品は、みなデザインが優れているという特徴を共有しています。単純にスタイリッシュというわけではなく、製品自体のデザインやパッケージ、あらゆるメディアへの露出の仕方がその製品の持つ一貫したバリューを伝えているのです。機能やスペックではありません。iPhoneやiPadなどのApple製品は、所有していることによって時代の最先端にいるような気になれるし、周りからもそう見られる(気がする)のです。このような機能表やスペックシートでは伝えられない価値をデザインが雄弁に語るのです。だから今の時代はデザインありきで考えなければいけません。
その商品が持つ価値をどのようなデザインで表現すれば最も顧客に伝わるかな、と考えるのがデザイン発想法です。

要点をまとめたものを読むだけでは、「ふむふむ、なるほど」と納得して終わりになってしまうので、是非事例たっぷりの本書を読んで、身の回りの事例で考えてみて下さい。きっとみなさんの企画力にも効いてくるはずです。


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