2012/09/22

顧客とともに成長するピラミッド型ブランド戦略


成功するブランドを持つ企業は、顧客の成長に合わせて自社の別ブランドにスイッチしていく仕組みを有しています。例えば、10~20代の顧客向けに低価格でカジュアルな製品を用意し、その顧客が30~40代になった頃に欲しくなるような少し高価でシックなラインナップを用意し、50~60代になった頃により高価でクラシックなデザインの製品を提案するといった具合です。こうしたピラミッド型の構造的なブランドは、顧客のブランドロイヤルティを高め、生涯顧客とすることにより安定して大きな収益を上げることができます。いわゆるエクセレントカンパニーと呼ばれる企業は多くの場合このピラミッド型のブランドを有しています。

具体的な例を挙げると、女性下着ブランドのトリンプは、10代~20代のエントリー顧客向けにアモスタイルという低価格でデザイン性の高いブランドを展開していますが、アモスタイルを卒業した30代前後の女性向けに別ラインのブランドを有しています。流通戦略も考えられており、アモスタイルは完全に専門ショップで展開していますが、他のトリンプ製品は百貨店など、少し年齢層の高めの女性がショッピングする場所で店舗展開されています。
ゼネラル・モーターズの古典的なブランド戦略の例では、車種をジャンルで分け、その中でエントリーモデルからラグジュアリーモデルまで複数段階にブランドを分けるモデルを構築しました。ブランドが複雑化しすぎて経営危機の一因になったとも言われていますが、シボレーに乗る若者は、いつかキャデラックに乗ってやるという「憧れ」という名のブランドロイヤルティを確立して一時代を築きました。
スウォッチ・グループではスウォッチという安価なエントリーモデルで若者にスイス製時計に慣れ親しんでもらい、徐々にステップアップして最終的にはオメガなどのラグジュアリーブランのファンになってもらうというパスを作りました。他のブランドでもよく見られますが、スウォッチのような下位モデルは販売数は多いものの、収益性は悪く、一方オメガのようなラグジュアリー製品は販売数は少ないものの、収益性が高く、会社への利益貢献度が高いと言われています。

もしもブランドを構築するのであれば、一つのブランドを立ち上げるだけではなく、顧客の経済的、社会的ステータスの成長に合わせて一緒にステップアップできるブランドのパスを作ることも視野に入れておくべきでしょう。ブランドのパスを作ってあげることによって、無理なマーケティングコストを掛けることなく顧客のロイヤルティを高めることができます。さらに最終的に売りたいバックエンド商品である高価格帯製品を提案できる見込み顧客(カジュアルブランドのファン)を自然に増やすことができます。

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