2012/09/22

リバースプランニング 女性専用トレーニングジムのカーブス


リバースプランニングなんて言葉はなくて、私が考えた造語です。ソフトウェアを使用してその動作を元に同じソフトウェアを再開発することをリバースエンジニアリングと言いますが、同じように実在するヒット商品やサービスを元に、その商品・サービスの開発に至ったビジネスプランニングの型を真似ようという試みです。学んだフレームワークや事例ば実戦に活かしてこそ。実戦の前の予行演習といったところです。
今回取り扱ってみたい題材は、女性専用トレーニングジムのカーブスです。

カーブスは他に類を見ない女性専用のトレーニングジムで、従来のジムというマッチョな男性がトレーニングしているイメージを避けるために、自らを「女性だけの30分健康体操教室」と表現しています。女性専用という点も徹底していて、スタッフもすべて女性です。トレーニングは通常ワンサイクル30分の有酸素運動と筋力トレーニングを交互に行うトレーニングで、健康的に痩せることを重視しています。
設備も特徴的で、トレーニングジムには必ずあるロッカールームやシャワールームが存在していません。設備への初期投資とランニング費用の少なさからか、会員費用も月額6000円-7000円と結構お手軽です。

カーブスのビジネスモデルを思いついた発想の原点は、おそらくトレーニングジム利用者の偏りにあったのだと思います。カーブスは米国生まれのジムなので米国のトレーニングジムの実情ははっきりとはわかりませんが、日本国内とあまり変わらないものとして考えます。トレーニングジムの利用者を見ると、やはり圧倒的に男性の割合が多く、7:3くらいの男女比ではないかと推測されます。利用者は、2,30代の若年層から中高年まで幅広くいますが、男女で特徴的な違いがあります。それは、男性はより筋力をビルドアップするためにトレーニングをしている層とそこまでじゃないけど体質を改善するためにトレーニングをしている層の両方の層がジムを利用しています。このため男性利用者が多いんですね。一方女性は、すでにある程度スタイルが整っている人ほどジムを利用していて、シェイプアップを必要としていそうな人の利用者が少ないのです。これは、おそらくスタイルに自身のない女性はトレーニングジムを利用しにくいということなのでしょう。やはり男性が多い場所ですから、人の目が気になるでしょうし、痩せるためにアドバイスを求めたくても心理的に求めづらい状況にあるのでしょう。
この時点でスタッフも女性ばかりの女性専用トレーニングジムはどうか?という発想は生まれてくると思います。しかし、他の事務と同じような設備やシステムで受け入れられるのか?という疑問も出てくるでしょう。通常のトレーニングジムは、ビルドアップを目的とした人とシェイプアップを目的とした人、はたまた健康維持を目的とした人まで、幅広い人々に適応できるように作られているので自然と施設への投資が大きくなり、「通常のトレーニングジムに行きづらい女性」というニッチなターゲットを対象としたジムで同じ規模の投資をするのは難しいという判断になるでしょう。
ここでさらに分析を進めてみます。まず、通常のジムに行きづらいと思っている女性は自分のスタイルに自身がないという仮説を立ててみます。すると、このターゲットとなる女性たちの層がジムに求めるものは、シェイプアップに絞られると考えられます。さらに、ジム通いの経験も少ないでしょうから、シェイプアップの中でも初心者向けのメニューで、短い時間でひと通りの運動ができるプログラムを中心としたほうがよさそうです。こうした推論の結果、30分で決められた通りの筋力トレーニングと有酸素運動をワンサイクルするプログラムが生まれたのだと思います。

トレーニングは大きなくくりの定義をすると、運動をする場です。運動は本来老若男女問わず需要ががあるものなはずなのに、ユーザーに偏りがあるのはなぜだろう、という現状に対する問いに端を発しカーブスは生まれました。ユーザーの偏りを見つけてビジネスチャンスを探る余地のある業界はたくさんあると思います。カーブスのビジネスプランニングの優れているところは、本来ジムでの運動を必要としている女性ユーザーを見つけるだけでなく、更に深掘りして彼女たちが必要としている運動(激しくない運動、パッケージ化されたプログラム)と環境(女性スタッフのみ、価格を下げるための簡易な設備)を提供したところにあるといえるでしょう。

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