2012/09/20

ライオン洗濯用洗剤「トップ HYGIA」の戦略

選択用洗剤のような身の回りのコモディティ商品は非常に競合が多く、差別化がとても難しい製品です。新製品が発表されたところで旧製品との違いが良く分からず、わざわざ新しい製品に乗り換えようとは思いません。しかし、最近ライオンから発売された選択用洗剤「トップ HYGIA」の製品戦略と販売戦略が見事で、思わず私も買ってしまいました(まだ旧洗剤が残っているので使ってませんけどね)。

「トップ HYGIA」は2012年7月18日に販売された選択用洗剤で、洗濯一回あたりの使用量が少ない超コンパクト液体洗剤です。価格はほぼ同価格帯の製品と変わりません。
製品ジャンルや価格ではあまり目を引くところはありませんが、明確に一つの価値を訴求しています。それは、「洗うたびに高まる抗菌力」という特徴です。衣類を洗えば洗うほどプラスイオンが付着して抗菌力が高まり、汚れがつきにくく、臭いが発生しにくくなるというのです。
ライオンは、この価値を消費者にうまく伝えるマーケティング戦略をとっています。

洗濯洗剤市場の中でも、香りのよさをアピールするものや、柔軟剤と2in1になって手軽さを訴求しているものなど、さらに細分化することができます。トップ HYGIAは部屋干し用とか臭い防止といった価値で細分化される商品群のひとつでしょう。このジャンルの製品が顧客に提供する価値は、「臭いを防ぐ」なのですが、トップ HYGIAは価値訴求の仕方がこれまでと逆方向なのです。
これまでの製品のメッセージは「部屋干しでも臭くならない」、「イオンの力で臭いを防ぐ」というものでした。これは言わばネガティブ回避型のソリューションで、これを使えば臭いが防げるかもしれない、逆にいうとこれを使わないと臭いがつくぞ、というものです。これは病気になったから手術して治療する、という後ろ向きなイメージのある解決方法です。
一方、トップHYGIAは「洗うたび高まる抗菌力」、「臭いの発生を予防する」という、衣類が臭いに対して抵抗力を強めることができるというポジティブ型のメッセージです。最近健康維持の必須条件でよく言われる「予防医療」のように前向きなイメージがあります。
この抗菌力という強みを伝える銀色のパッケージや、「洗うたび高まる抗菌力」という強みを明確に伝えるCM、そして店舗での販促活動が相まって、消費者に強い印象を与えるでしょう。

明確なメッセージとそれを支えるマーケティングが、ターゲットである臭いや衣類の菌が気になる生活者(例えば、一人暮らしで洗濯物が外に干せない会社員、敏感肌の子供を持つ親など)に届いているでしょう。だから私もその効果のほどが知りたくて、試しに買ってしまったんですねぇ。

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