2012/10/24

シャドープランニング: ALSOK次の一手

京王線の中吊り広告を見て初めて知ったのですが、京王線の鉄道警備はALSOK(綜合警備保障株式会社)が請け負っているのだそうです。ラッシュの時間帯にプラットフォームで利用者の安全を守っている人たちでしょうかね。ALSOKはとにかく夜間ビルの警備をしているというイメージしかありませんでしたが、実は非常に広い範囲でビジネスを展開していることがわかりました。
そんなALSOKの次の一手を、自分が社長だったらどう展開するか考えてみました。勝手に企業の次の一手を考える思考訓練をシャドープランニングと呼んでいます。

現在ALSOKのビジネスは、4つの主要事業から成り立っています。機械警備業務、常駐警備業務、警備輸送業務、その他の業務です。機械警備業務はALSOKの売上の半分近くを占める主要ビジネスです。契約した企業、または個人の建物に設置された警備センサーなどが以上を感知するとガードセンターと呼ばれる中枢機関に通知され、ガードセンターから最寄りの詰所へ連絡し、ガードマンへ現場へ急行するというサービスです。ガードセンターや全国各地の詰所というハードへの投資、ガードセンターを運営するためのITへの投資が重い、インフラ型のストックビジネスですね。損益分岐点は高いですが、契約数が増えるほど高い利益率が望め、安定した収益源になります。常駐警備業務はその名の通りオフィスビルビルなどに常駐して警備に当たるビジネスです。警備輸送業務はATMなどの現金輸送を担当します。その他の業務では清掃や設備管理などが含まれます。
機械警備がほぼ半分の売上を上げ、他の3事業がそれぞれ10~20%の売上を構成しています。

■損害保険への進出■
ALSOKは警備により安心を提供するのが本質機能です。この安心を提供するという価値を拡大すると、損害保険を提供するというのがしっくり来るビジネス領域の広げ方だと思います。ALSOKは警備により安心を提供するものの、万が一それでも損害が起きてしまった場合には保険による補償を提供するというのは顧客視点でも納得感があるように感じます。数十万件という契約を持つALSOKは、インシデントがどれだけの率で発生し、そのうち何%で損害が発生するかを計算するのに十分な情報を持っているはずです。保険を警備とパッケージ化して売ることをメインにすれば、保険の掛金のかなりの割合を占めるであろう営業コストもほとんど要らないことになります。契約数がある程度見込めれば、利益率と付加価値の高いサービスになるでしょう。

■高齢者所在確認サービスなど■
売上の最も多くを占める機械警備のビジネスモデルからすると、ALSOKのユニークなアセットは、24時間365日でセンサーからの異常を受け付けているガードセンターと全国にあるガードマンの詰所です。本質的な要素を取り出すと、異常を感知してすぐ駆けつけることができる、という体制がALSOKの強みなのです。これを転用すれば、一人住まいの老人宅にドアの開閉などを検知するセンサーを設置し、一定時間動きがなければ現場に急行するといった、見守りサービスが提供できます。顧客が独居老人や老人ホームに入居させる資金が足りない家族ということになるので、一件あたりの売上は小さいかもしれませんが、固定費はメインの機械警備で回収できているので、利益への貢献は小さくありません。

ALSOKのように業界のトップ企業はトップ企業だけあって明らかな強みを持っているので、その強みを活用した次の一手が考えやすいですね。しかし、実際に実行に移す上では、プロフィットゾーン経営戦略の専門家利益にある通り、同時に複数の新規事業へ打って出るのではなく、新しい一つの領域で卓越するのが重要でしょう。

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