2012/10/13

リバースプランニング: ニコニコ動画


ニコニコ動画は言わずと知れた国内最大手の動画配信サイトです。設立は意外と古く、YouTubeがスタートした翌年の2006年10月にサービスがスタートしました。スタート当初は動画配信サイトではなく、YouTubeやその他動画配信サイトの動画にコメントするというのが主な機能でした。スタートから約6年で2200万以上の一般会員と130万人もの有料会員を持つまでの超大手動画配信サイトになりました。コメントの機能が充実している動画配信サイトで、視聴者間や投稿者と視聴者のコミュニケーションがコメントを通してなされています。ニコニコチャンネルという運営側が設定したジャンルごとのコミュニティとユーザーが共通点を持つ人同士集まったコミュニティなど、コミュニティを構築する機能に特徴があります。
ニコニコ動画生みの親であるドワンゴ代表取締役会長の川上氏は、これほどの会員数を獲得し、ビジネス的にも成功させるにあたってどのようなビジョンを持っていたのかリバースプランニングしてみます。

視聴者参加型とコミュニティ形成を重視
まずこうしたコミュニティサイトは大きなユーザー数を獲得することが不可欠です。広告で課金するにしても、ユーザーや企業に課金するにしてもまずはユーザーの獲得を初めに達成しなければいけません。
ニコニコ動画はYouTubeとは違う、投稿者と視聴者、視聴者と視聴者の関係性を志向しています。ニコニコ動画はコメントの特性として、動画の再生に合わせてコメントを載せることができます。この機能のお陰で、視聴者は動画に対する自分のリアクションを詳細に示せるようになりました。動画の一番盛り上がる場面でコメントが流れる数も最大になり、続いてそのコメントの多さに対するコメントが出てきたりして一体感が生まれてくるのです。ニコニコ動画は、この一体感を出すために動画の再生に合わせてコメントが流れるシステムを採用したのだと思います。目的は何か?もちろんユーザーを増やすためです。2chを見ていると、ネットユーザーの特性として話題になるようなコト(内輪ネタ、神業、おもしろ映像、アニメなどなど)をみんなで盛り上がりたいという印象があります。この盛り上がりを生み出す仕組みがあれば、ヘビーなネットユーザーを中心に集客できるだろうと考えたのでしょう。
人が集まってコトに盛り上がる場ができれば、元来人は褒められたり話題にされるのが好きなので、自分たちからコンテンツを提供する視聴者が出てくるものと想定できます。そして動画投稿サイトは動画の量と質が重要なので、動画投稿者がもっと面白い映像を継続的に投稿してくれるインセンティブを設ける必要があります。タイムラインに合わせたコメントシステムは間違いなく動画投稿者のインセンティブになりますが、タグとコミュニティという仕組みがさらに動画投稿意欲を高めることになっているのです。

広告収入とユーザー課金のハイブリッドモデル
ニコニコ動画の収入モデルは広告収入とプレミアムユーザーへの課金を組み合わせた課金方法になっています。動画投稿サイトでユーザー課金をしているサイトは当時はほとんどなかったでしょうが、ニコニコ動画はサービス開始から一年後にはユーザー課金をしていることを見ると、はじめからユーザー課金モデルを狙っていたようです。タイムラインにポストできるコメントシステム、タグ、コミュニティという仕組みで質の高い動画をユーザーから投稿してもらい、視聴者を囲い込みできるという自信がはじめからあったのでしょう。他の有料動画サイトはテレビ番組や映画などのコンテンツを提供しており、コンテンツの取得にお金がかかります。ニコニコ動画は大半のコンテンツがユーザーによって投稿された動画なので、コンテンツの取得にかかるコストは相対的に小さいため黒字化がしやすいと考えたのでしょう。


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