2012/10/16

ダイヤモンドダイニングに見る明確なフロントエンド商品とバックエンドエンド商品


マーケティング用語でフロントエンド商品とバックエンド商品という言葉があります。フロントエンド商品は、顧客に提案しやすく売りやすい商品のことで、見込み顧客を顧客化するための戦略商品を指します。この商品は有料の場合もあれば、無料の場合もありますが、一般的に利益率は高くありません。。一方、バックエンド商品は、フロントエンド商品を購入して顧客化した消費者に対し、企業が本当に売りたい利益率の高い商品を指します。例えば、英会話学校ビジネスであれば無料体験コースがフロントエンド商品で、本科のコースはバックエンド商品になります。高級フレンチのレストランであれば、ランチがフロントエンド商品でディナーがバックエンド商品でしょう。時計であれば、スウォッチがフロントエンド商品でオメガがバック商品などなど。
収益性が高く安定したビジネスモデルを展開している企業はフロントエンド商品とバックエンド商品が明確であり、かつフロントエンド商品からバックエンド商品への橋渡しがしっかりデザインされている場合が多いです。

一つの好例として、日経MJ(2012/10/14 P.15)ではダイヤモンドダイニングの例が取り上げられていました。
ダイヤモンドダイニングでは、忘年会の下見目的のお客さんに対し、予定コースの半額で料理を提供するというサービスを展開しています。恐らく忘年会の予約をした場合に限り、下見で幹事来店の際に予約したコース料金を半額にするということでしょう。下見割引は11月中までで、忘年会売上の1割アップを目指すための施策なのだとか。
このダイヤモンドダイニングのプランはフロントエンド―バックエンドを見事に活用しています。フロントエンド商品はもちろん幹事向けの下見の割引で、バックエンド商品は大人数向けの忘年会コースという事になります。幹事向けの半額割引というのは大幅な割引な気がしますが、少なくとも原価割れすることはないでしょうし、2,3人に半額で提供して数十人の予約が取れるのであれば安い投資です。土日昼間にやっているような情報番組で以前知ったのですが、結構忘年会幹事の下見は一般化していたようです。ダイヤモンドダイニングはここに目をつけたのでしょう。幹事数人さえ落とせば、数十人の予約が手に入ります。忘年会の仮予約を入れれば割引する仕組みにすれば、高確率でフロントエンド商品とバックエンド商品がつながります。ただひとつ問題点をあげれば、模倣が非常に簡単という事でしょうか。個人や小規模の居酒屋なら明日からでも真似できてしまいます。

このようなフロントエンド商品―バックエンド商品という考え方は、私が身を置いているIT分野でもよくあります。特に顧客に深く入り込んで、統合的なソリューションを提案するSIerのような職種では、最初に顧客に取り入る入札では利益がほとんど0か赤字でも案件を取りにいきます。そしてその後顧客とのビジネスを増やし、全体で収益をあげようというモデルです。このようにフロントエンド―バックエンドが常態化した業界ではあまり真新しさはないかもしれませんが、思いつきですが製薬業界やフィットネス業界など、あまりこのモデルが一般的でない業界ではブレイクスルーになるかもしれませんね。

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