2012/10/28

ぐるなびの次の一手 多対多から個別化へ


ぐるなびは全国にわたる50万店のレストランとその利用者を結ぶポータルサービスです。登録しているレストランは、広告料・利用料を支払ってぐるなびで店舗情報とクーポンを提供するポータルサービスと、ぐるなびが持つ豊富なマーケティングデータを活用した販促サービスを利用することができます。一方、ユーザーにはプレミアムサービスを提供して有料課金を実現しています。ぐるなびはこのビジネスモデルで売上240億円、純利益10%を達成しています。

ぐるなびはポータルビジネスの草分け的な存在ですが、彼らが始めた新しいサービスに今後のポータルビジネスの方向性が垣間見えます。以下の記事は、ぐるなびが開始した有料プレミアム会員向けのぐるなびコンシェルサービスに関する記事です。

日経MJ 2012/8/24 p.3―――――――――――――――――――
コンシェル利用者は、まず電話やメールで希望の料理のジャンルや予算、人数、目的などを伝える。すると、オペレーターが原則5分以内に会員の携帯電話のメールに3〜5店の情報を送ってくる。おすすめする店舗はぐるなびに加盟する約50万店の中から選び出している。
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この記事から察するに、ぐるなびはレストラン向けのサービスを厚くして店舗からの収入を増やすよりも、個人利用者のロイヤルティを高めて収入を得るモデルを強化するほうが成長性が高いと考えているようです。正確な数字は資料を取り寄せる必要がありますが、店舗への課金は月額3~5万円から機能やカスタマイズが豊富になると月額数十万円という単位になるようです。忘年会特集などの販促を利用すると、さらにショットで数十万円。これ以上店舗からの収入を増やそうとすると、正当化できるだけ効果のあるマーケティングプランを提供できないといけません。それよりは個人顧客のプレミアムユーザーを増やそうということでしょう。

プレミアムユーザーの数を拡大するために、ぐるなびはコンシェルサービスで新たな付加価値を追加するという方法をとりました。これまでのプレミアム会員のメリットは、掲載店舗を予約・利用するとポイントが何かと高倍率で貯まる程度のサービスでしたが、今後はコンシェルサービスのようにユーザー個別のニーズに応えるサービスが増えていくでしょう。
実は利用者を獲得するためにサービス個別化の動きを見せ始めたのはぐるなびだけではなく、他のポータルでも同じような個別化の動きがみえます。

例えば、リクルートの不動産ポータルサイトであるSUUMOもスーモカウンターというオフラインの窓口を構え、顧客個別のニーズを捉える個別化戦略を展開し始めています。このスーモカウンターでは、利用者(主に不動産を買いたい人)向けに個別相談会やセミナーを行なっています。SUUMOは利用者向けに十把一絡げに情報を提供するだけでは利用者個人のロイヤルティを高めるには不十分で認識しています。SUUMOへの利用者のロイヤルティを高め、自社サイトを利用した賃貸契約や売買契約を促進して手数料収入を増やすために個別化戦略で利用者へ働きかけているのです。

これまでのポータルビジネスは、企業向けに情報掲載や販促支援サービスで成功してきましたが、掲載企業から収益を得るモデルが固定化してきており、プレイヤーも増えてきたため戦略の転換を迫られています。ポータルビジネスの次の一手として、個別化戦略が一つの可能性として選ばれているようです。


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