2012/10/05

細分化と差別化の罠


私はよく愛機のMacBook Airを喫茶店やファストフード店に持ち込んでブログやメルマガの原稿を書いています。むしろ、純粋にコーヒーを飲んだりショッピングの休憩に喫茶店を利用することはなく、私にとっては本のない書斎のような感覚です。今こうしてカフェで原稿を書いていると、カフェの利用の仕方が多様化していることに気が付きます。ある人は私のように仕事をしているし、資格勉強をしている人や英会話のレッスンを受けている人、おそらく保険の商談をしている人たち、そしてもちろんおしゃべりやくつろぎの時間のために利用している人たちもいます。しかし、カフェがこれらのニーズを満たすのにベストな場所かというとそうではありません。仕事や勉強をしている人にはちょっとうるさいですし、商談をしている人たちにとっては隣の人に聞き耳をたてられていないか気になったりするかもしれません。本当はもっと静かな場所で仕事や勉強がしたい、他の人に聞かれない場所で商談したいというニーズはありますが、その手軽さゆえカフェは様々な目的で利用されるのでしょう。

こうしたニーズを目の当たりにすると、それぞれの用途に特化したカフェを作ればビジネスとして可能性があるのではないかと思いつきます。例えば、仕事や勉強を目的とした利用者のためのカフェはどうでしょう。テーブルひとつひとつにパーティションがあると集中しやすいかもしれませんね。BGMもないほうが良いでしょうし、「眠気が覚めるカフェインたっぷりのコーヒー」や「頑張った自分にご褒美スイーツ」なんてメニューがあるとウケがいいかも?
英会話専用カフェなんてどうでしょう?集中できるようにやはりパーティションがあったほうが良いでしょうし、ホワイトボードがあると講師が説明に使えて便利ですね。辞書が常備してあれば講師がいちいち重い辞書を持ってくる必要がなくなるのでありがたいでしょうね。英会話講師をしたい人と習いたい人をつなぐポータルビジネスがあるので、提携するとビジネスが早く立ち上がるかもしれません。

うん、なんとなくビジネスとしていけるかな?なんて思ったらいけません!そこには細分化と特化の罠があります。
細分化・特化をするということは、それだけ需要を狭めるということです。単純な話、カフェ利用者のうち勉強や仕事で利用するという人が30%しかいない場合、マーケットが30%のサイズしかないということです。さらに、既存のカフェとその需要を取り合うことになるので、本当に採算性が合うのかはよく分析しなければいけません。
次に、その特化は本当に必要なことか?ということを気に留める必要があります。PCを持ってカフェで仕事をしようとすると、いまはどこでもWiFiが入っているし、比較的自由に電源が使えるようになっているところが多いです。普通のカフェでもWiFiと電源さえあれば、仕事をするには普通は十分です。静かでパーティションがあり集中しやすい勉強・仕事専用カフェがあったところで、どれだけの利用者が普通のカフェからスイッチするのでしょうか。
最後に、細分化と特化した店舗は飽きられやすい、という宿命も気に留める必要があります。はじめは物珍しさに利用客が来てくれるかもしれませんが、その特化が十分なベネフィットを提供していない場合、やっぱり普通のカフェでいいや、ということになるでしょう。特に実店舗を必要とするビジネスは商圏から外れた人を定常的に呼びこむには、遠くてもその店舗に行くだけのベネフィットが必要です。

では、細分化し特化した業態が受け入れられるかどうかを知るにはどうしたらよいのでしょうか?もちろん調査やシミュレーションで予測することはできますが、最終的には過大にならない範囲の投資でトライアルしてみるしかないでしょう。トライアルで得られた結果をもとに、どこかを改良すればビジネスとして成り立つのか、それともどうやっても採算が取れないものなのか、PDCAを回す。つまり、早く失敗して、早く修正する。これが新しいビジネスを立ち上げる上での唯一の方法です。

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