2012/10/10

シャドープランニング: ライフスタイルSNSの課金


前回これからSNSをつくるなら、というテーマで趣味と遊びのコミュニティを中心としたライフスタイルSNSを提案しました。今回は、そのライフスタイルSNSでどのような収益モデルを作れるかについて考えてみます。
まずは、ライフスタイルSNSの主な機能や目的について、もう一度説明します。

機能1: コミュニティ作成機能
ライフスタイルSNSでは趣味や遊びのジャンルごとにコミュニティを作ることができます。例えばサーフィン、登山、クラブやバーなど。さらにそこから富士山や槍ヶ岳、ハワイのワイキキビーチやイビサ島のクラブなど、趣味や遊びの舞台となる「場」のサブコミュニティや、登山用品メーカーやサーフボードのブランド、ショップなど、「商」のサブコミュニティも作成できます。ユーザーはそのコミュニティに集まって登山難易度や波の高さ、クラブの評価に関する議論や情報を共有してもらい、自分の体験談をアウトプットする場として、そして情報を得る場所として価値を高めます。登山用品メーカーやサーフボードのブランド、そしてその用品販売店についてもざっくばらんな意見交換ができる場所になっていれば、用品や販売店を利用しようとしているユーザーにとっても価値がある場所になります。

機能2: 企業とユーザーのコミュニケーションプラットフォーム
ライフスタイルSNSでは企業とユーザーの活発なコミュニケーションを促進します。コミュニティ参加者へのクーポン配布や新製品情報の提供、ユーザーからのフィードバックを受け取れるプラットフォームを提供します。ユーザーと企業のコラボレーション企画を促し、オフラインでの趣味・遊びの体験をもっと充実させるためのツールを目指します。

すでに世にあるSNSと比較するとFacebookと近いのですが、ユーザーのベネフィットという視点では「Facebookはリアルな友人と交流関係をメンテナンスするもの」という考え方がマジョリティだと考えられるため、趣味や遊び場の情報交流という定義のSNSを広めることは十分可能だと考えられます。現在は趣味の情報交流場所がアチラコチラに散在している状態なので、その情報を統合する場所としての位置を狙います。
では、ライフスタイルSNSではどのような課金モデルが考えられるでしょうか。いま主流となっているSNSの収益モデルから、ライフスタイルSNSの収益モデルを考えてみます。

クーポン、広告
SNSにおける最もベーシックな収益モデルです。このSNSでは共通の趣味を持つ人同士でコミュニティを作るので、他のSNSよりも企業にとっては自社の見込み客へリーチしやすいという比較優位性があります。よくバナー広告を出している中古車販売サイトも、ヤフーニュースの車関連の記事に貼り付けるよりは車のコミュニティに広告を出すほうが明らかにターゲットユーザーにリーチしやすくなります。ライフスタイルSNS内に自社のページを所有していれば、ユーザーはそのまま流れで中古販売サイトの評価やコメントを見て信頼性を高めることができます。もちろん評価が低ければ逆効果ですが。自社のコミュニティでクーポンを配布するのも効果的です。もともと自社のファンであるユーザーに対して選択的にクーポンを配布できるので、企業にとってはO2O(Online to Offline)の流れを期待できます。新規顧客獲得の手段として関連性の高いコミュニティに対してクーポンを配布することもできれば、さらに企業にとって強力な販促ツールになります。

企業アカウント課金
企業が自社の公式コミュニティを作成するのに課金をする、公式アカウント課金は安定した収益基盤になることを期待できます。企業が本物であるかの認証、コミュニティページ管理機能、クーポン配布プラットフォームなどをパッケージにして月額利用料を請求します。このサービスが企業にとってどれだけ魅力的になるかは、関連コミュニティのユーザー数と配布したクーポンが実際に消費された数や企画したイベントへの集客数といったコンバージョン率が重要になるので、まずはライフスタイルSNSへユーザーを呼び込むことが重要になりますね。月額課金でそれなりに高い単価を期待できる企業公式アカウントはストック型の安定した収益基盤になるでしょう。

プレミアムユーザー課金
SNSの収益モデルの一つとしてプレミアムユーザー課金があります。しかし、一般的なSNSではユーザーを集めて企業からの広告を収入の柱とするケースが多いので、ユーザー数をいかに多く集めるかが肝になります。Facebookがまさにそのモデルで、ユーザー数を集めることが重要であれば、ユーザーに課金するのはあまり得策ではありません。それでも一部のSNS、例えばニコニコ動画はプレミアムユーザーへの月額課金を収益の柱として成功しています。しかし、ユーザーに課金するには、お金を払ってでも見たいコンテンツが不可欠です。そういった意味では、ライフスタイルSNSはユーザー間のテキストや画像によるコミュニケーションと企業が提供するコンテンツが主になるので、ユーザーに課金するのは容易ではありません。機能差がある無料コミュニティと有料コミュニティを設けて、有料コミュニティに課金するというのは一つの方法かもしれません。

・アバター・アイテム課金
サイバーエージェント社のアメーバやオンラインゲームが得意とする課金で、ユーザーが自身のモデルとなるアバター(人形・キャラクター)をオンラインで作り、そのアバターを着飾ったりステータスを強化するためのアイテムを販売するユーザー課金型の収益モデルです。初期の開発コストを除き、アイテムの開発はほとんど元手がかからないので非常に利益率が高くなる傾向にあります。ただし、SNS全体のカラーをゲームっぽくしてしまう、コミュニティで交換される情報の質よりもキャラクター同士の交流がメインになってしまう可能性があるので、SNSのカラーに合うか慎重な判断が必要です。ライフスタイルSNSは情報の中身と質が重要なので、むしろ妨げになる部分が多いと考えます。


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