2012/11/23

エムスリーという企業


訳あってエムスリーという医療向けネットメディア企業について調査する機会がありました。ユニークなバリューを提供し、株主価値も高い優良企業です。調査の覚書ついでにご紹介。

エムスリーは医療とメディアの融合により新しい価値を提供しようというネット新興ネット企業です。2000年に製薬会社向け情報サービスで設立し、2003年にソニーコミュニケーションズ(現ソネットエンターテイメント)の医療情報サービスを営業譲受しました。

医療に特化したポータルサービスを主幹事業としており、国内では比肩するサービスがないため、素晴らしい利益率と株主価値を提供しています。リーマン・ショック後から株価を3倍に上げています。

同社のサービスは医療従事者向け、関連医療産業向け、一般向けに提供されています。

□■医療従事者向けサービス■□
採用サービス/キャリアエージェントサービス
開業医支援サービス/コンサルティング、サポートサービス


□■医療産業向けサービス■□
製薬会社向けプロモーションサービス/ポータルサイト
医療従事者リサーチ/マーケティング支援サービス
臨床試験サポートサービス/コンサルティング、サポートサービス

□■一般向けサービス■□
診察予約システムASPサービス(関連会社)
医者へ質問できるポータル/ポータルサイト

主なサービスは医療従事者向けのm3.comというポータルサービスです。医師登録者は23万人ということで、医師全体29万人のうち約80%が登録しているモンスターポータルです。これだけの医師が登録しているということは、医師に製品を販売したい企業からするととんでもない価値を持っています。

ネットワーク効果が出るまでは相当苦労されたと思いますが、医師の約80%が登録している現在は刈り取りの時期でしょう。ほとんどの製薬会社にとってはm3.comをマーケティングに使わないということは考えられないでしょう。

以前のゼクシィのポストでも取り上げましたが、ポータルビジネスではターゲットとする企業(製薬会社や医療周辺産業)の顧客を握るというのが元も重要なKFSです。医師向けの採用サービスや開業医支援サービスのような、医師にとって付加価値の高いサービスを提供してKFSである医師の登録を増やすという戦略だったのでしょう。しかも、医師を集めて医療関連企業から売上を上げるだけでなく、医師から会員費を回収するという見事な収益モデルです。それだけ医者にとっても有益なポータルサイトなのでしょう。

m3.comでの2012年上半期売上は前年比22%増で77億円に達しています。そして利益率は驚異の56%!慢性的に利益率が低いITサービス業界に身をおく私としてはヨダレが出そうな利益率です…

海外事業や臨床試験や治験サポートサービスも含めた上半期トータルの売上は113億円で前年同期比34%増に達しています。トータルでの利益率も38%を記録しています。

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