2012/11/24

経営者でない人が経営戦略を学ぶ弊害


これまでのポストで何冊か経営戦略に関する本を紹介してきました。私は経営者という立場にはまだほと遠い人間なのですが、どうも企業戦略という大きなことを考えるのが好きで経営戦略本を好んで読んでいます。そのなかで学んだのは、会社のどのポジションにいる人であっても個人であっても、物事を戦略的に考えることは重要だということです。人生でより多くの富や経験や友を得たいのであれば、戦略を持たない者より持つ者の方がより多くを得る可能性が高いということです。

しかし、経営から遠いところにいる会社員が経営戦略を学ぶことによる弊害があります。私自身が実体験として遭遇した弊害について書いてみます。

■自分の仕事が矮小に見えてしまう
経営戦略を学び過ぎることによる弊害は、ある意味ではお伽話の物語を読むことによる弊害と似ているかもしれません。それは、現実の自分の仕事が矮小に見えてしまうということです。経営戦略本のケースを見ていると、売上が右肩下がりで数期連続で赤字を重ねている青色吐息の企業にやってきた腕利き経営者が大胆に大鉈を振るってリストラと不採算事業を整理して利益を確保し次の一手で売上と利益を改善させてV字回復!なんて物語をよく見ます。
映画のヒーローのような経営者の話を読んでいると、自分が日々格闘している課題のスケールの小ささに意気消沈することがあります。もちろん、スケールの小さい課題をしっかりこなせない人間が経営課題を何とかできるはずがないだろう、と自分でも思うものですが、どうしても隣の芝は青く見えてしまうものなんですよね。

■今の仕事の課題にコミットできなくなってしまう
一つ目の問題が悪化したバージョンといえるかもしれません。自分の仕事が矮小に見えてしまうと、それにコミットすることが難しくなってしまいます。良くも悪くも、経営戦略を学ぶことによって自社の経営の舵取りの良し悪しが多少分かるようになってしまいます。すると自部門の小さい課題よりももっと大きな経営課題を何とかしなくては、という余計なおせっかい的考えになってしまうのです。もちろん平社員のときから経営課題に目を向けることができるのであれば、将来出世したり起業して経営者になったときに役に立つことはあるでしょう。しかし、自分の役割を全うしない社員ばかりの会社では、いくら良い経営戦略があったとしても決して成功しません。一社員として経営戦略に目を向けるのは良いのですが、まずは自分の課題に全力投球すべきなのです。

■現経営陣を見下してしまう
二つ目の問題がさらに悪化するとこのような状態になります。自社の経営状況が悪くなったのも、自部門の課題が解決できないのも全て誤った経営戦略を持っている現経営陣なのだという考えになってしまうのです。ここまで来ると、もはやただの批評家です。どの会社にもいますよね、批評家が。批評家は問題を正確にあげつらうので、優秀な人と思われがちです。特に官僚的な組織では意外と批評家が評価されたりします。
しかし批判するだけではなんの価値もありません。その問題点に対して解決策を考え、行動して初めて評価に値する批評になるのです。そうでなければ、黙々と自部門の課題に取り組む人のほうがよっぽど価値があります。とはいうものの、もし批評家から脱皮して、重要な課題について自ら行動を取り結果を出したのなら、その人はエースやホープと呼ばれるでしょう。

いかがでしょうか。勉強熱心な人ほどこういう傾向の人がいるのではないでしょうか。今日の内容は他人の観察も含まれますが、何より自分の反省としての自戒が多分に含まれています…。みなさんも批評家にならないように注意しましょう。

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