2012/11/03

ビジネスの所有と経営の分離が生み出すビジネスモデル


よくできたビジネスモデルを見聞きすることが何より楽しい私にとって、とても面白い本と出会いました。山田英夫氏著「なぜ、あの会社は儲かるのか? ビジネスモデル編」です。まだ読んでいる途中ですが、眼から鱗がボロンボロン落ちてくるケースが沢山紹介されています。折にふれて紹介していきたいと思います。

社会構造の変化はイノベーションが生まれる土壌となります。高齢化社会は若者向けのビジネスを縮小させますが、逆に対高齢者のビジネスが生まれる可能性があります。実際様々な業界が介護施設の運営など高齢化ビジネスに乗り出しています。
ビジネスの世界でも、欧米にならうかたちで、ビジネスの所有者と経営者の分離が進んできています。この所有者と経営者の分離という変化を取り込むように成長しているビジネスが星野リゾートとパーク24です。

星野リゾートは知っている方も多いと思いますが、ややリッチな層向けのラグジュアリーリゾートを軽井沢で経営しています。社長である星野佳路氏は海外へ留学し、米国流のホテル経営を学び、その経営手法を家族企業に過ぎなかった星野リゾートに持ち込みました。しかし、星野リゾートがユニークなのは経営の仕方だけでなく、旅館やホテルの再生事業が伸びてきているという点です。経営が悪化した旅館のオーナーが星野リゾートへ経営を委託し、事業の再生を図ります。さらに、その旅館は星野リゾートグループの一員となり星のグループのブランドを使って営業できるようになります。このようにオーナーと経営が分離するというのはホテル・旅館の業界では考えられなかった新しいビジネスモデルです。しかし、星野社長が学んだ欧米のホテル業界では当たり前のビジネスモデルなのです

黄色い看板が目立つ時間貸し駐車場、タイムズも同じように駐車場ビジネスの所有と経営の分離によって生まれたビジネスモデルです。タイムズではパーク24がオーナーから定額で土地を賃借し、自分たちのリスクで駐車場を運営しています。かつて駐車場運営は土地オーナーが自ら運営するものでした。しかし、運営ノウハウがない土地オーナーからすると、小さい土地ではビジネスとしてペイするか分かりませんし、アパートを立てて賃貸するより安いもののある程度の初期投資がかかるというリスクがあります。パーク24は整地だけオーナーに負担してもらい、あとは自分たちのリスクで駐車場を経営し、毎月定額の賃借料を支払うというwin-winの契約を土地オーナーに持ちかけました。オーナーと経営を分けるビジネスモデルで、パーク24は資産集約化を防ぎつつビジネスを拡大できたのです。

今回の例は、米国のホテル業界では当たり前となっているビジネスの所有と経営の分離を、まだそれが当たり前でない日本の旅館経営や駐車場経営に持ち込み業界の構造変化を促すことによってイノベーションを起こした例をあげました。同じように、別の業界では当たり前の慣行をそれが当たり前でない自社の業界に持ち込むことによってイノベーションは起こせるのです。

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