2012/12/16

今後求められるのはベンチャーか?中小企業か?


最近読んだ本、「起業工学(幻冬舎ルネッサンス)」では旧松下電器の経営幹部による起業に関する議論や自分たちの新規事業創出体験が語られています。

その中で印象的だったのは、ベンチャーと中小企業の違いです。

ベンチャーは起業が目的でも継続が目的でもなく、大きな成長を目指しています。
シリコンバレーでは明確にエグジットを目標としており、起業家も投資家もバイアウトやIPOで数百億の利益を狙っています。

一方、伝統的な中小企業はゆるやかな成長、あるいは無成長でも良しとしているように見受けられます。
そして、継続を目的としている経営が多いのではないでしょうか。
成長はしなくてもいいから社員を養える利益があればいい、と。
伝統的な中小企業のオーナー社長はシリコンバレーのベンチャー企業とは違い、基本的に会社の売却は考えていないでしょう。


このような経営上の違いもありますが、ベンチャー企業と伝統的中小企業では、経済の中で果たす役割も異なっています。

ベンチャー企業は大企業がリスクを取るのを恐れて手を出せない技術やイノベーションに挑戦して新たな市場や技術を生み出すという役割を担っています。
そして、全く新しいベネフィットを顧客へ提供できるようになるのです。

医療ベンチャーが分かりやすい例でしょう。
最近はやりのIPS細胞は新たなベネフィットを生み出すベンチャーの好例で、これまで投薬による治療やオペによる患部の切り取りしかできなかった治療に対し、組織を再生させる再生医療の可能性を提供してくれます。
医療を受ける消費者に新たなチョイス、しかも体に対して非破壊な治療方法を提供してくれるのです。

最終的には大企業に買われるかもしれませんし、プロの経営者によって独自に会社を大きくしていくかもしれません。
どちらにせよ、ベンチャーが社会に提供するのは急速な成長による経済活性化と新しいベネフィットの提供なのです。

一方ファイミリービジネス的な中小企業は、急成長や新たなベネフィットに集中しているわけではありません。
大企業では採算が合わないような機械部品の製造やニッチな商品で大手企業とは差別化してビジネスを行なっているケースがほとんです。
大手のサプライチェーンとして、または大手では拾い切れない社会のニーズを提供しているのが中小企業と言えるでしょう。

さて、今日本経済に求められているのは、ベンチャー企業か中小企業かという議論ですが、もちろん前提としてどちらも無くてはならない存在です。
しかし、どちらがいまクリティカルに重要かといえばベンチャーでしょう。

起業工学―新規事業を生み出す経営力
加納 剛太
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