2012/12/26

明示しにくいベネフィットやターゲットはキャラクターで代弁しよう

ベネフィットやターゲットは明示すると却って顧客に忌避される可能性があることを前回のポストで見てきました。
ネガティブな印象を与えるようなベネフィットやターゲット属性を明示的に伝えてしまうと、そのネガティブな印象を相手に伝えてしまう可能性があるという話でしたね。

ではネガティブなベネフィットやターゲット属性をコミュニケートするにはどうすべきでしょうか。


一つの答えはベネフィットやターゲット属性を暗示するキャラクターを使うことです。

例えば、女性向け下着のワコールではターゲットの年代ごとに、デザインや機能が異なるラインナップを展開しています。
若い女性向けの下着であれば下着姿の若いモデルを使って華やかなCMを打てばよいのですが、60代向けの商品となるとその年代のモデルに下着を着せて宣伝するのは中高年向けなのが露骨すぎますし、商品にあまり良いイメージを持ってもらえるとも思えません。

ワコールはこのような方法を取りました。

日経MJ 2012/12/19 P.1―――――――――――――――――――――
ワコールは60代女性向け機能性下着「グラッピー」の売れ行きが鈍化した08年に、それまで若い外国人だったモデルに中高年の女優を採用。現在は団塊の伊東ゆかりさんだ。洋服を着てアクティブに活動する姿を紹介する広告に変え「ターゲットを『暗示』させることで親近感がわくようにした」(同社)。
――――――――――――――――――――――――――――――――

中高年の女性が機能性下着で体系が補正されることをアピールするのではなく、その結果として同年代の女性が活き活きとしている姿をアピールしたのです。


もう一つ、ティファールの電気湯沸かし器のCMが良い例です。

おじいちゃんおばあちゃんがもうすぐやってくる孫と息子夫婦のために急いでお湯を沸かしてお茶を準備するというCMです。
ティファールはすぐお湯が沸くので突然お客がやってきても待たせることはないよ、というベネフィットをアピールしているというのが表面的なCMの意味です。

しかし、このCMは2つのターゲット層を暗示しています。

ひとつの層はこのCMの主人公であるおじいちゃんおばあちゃん世代の高齢者です。
早くおやつを食べたい孫を待たせないという効果効能、そしてその先にある一家団欒のイメージでポジティブなベネフィットを表現しています。

本来、高齢者向けに電気ポットをすすめるとしたら、火を使わないから安全というポイントを訴求するでしょう。
しかし、火を使わないからお年寄りでも安全なんて広告を打ったらネガティブな印象を持たれかねません。
なので高齢者向けということはキャラクターを登場させて暗示させつつも、良い面のベネフィットだけをイメージで伝えることでネガティブな印象を与えることを防いでいます。

このCMで暗示されているもう一つのターゲット層は、高齢者の親を持つ息子家族の世代です。
CMの中で安全かつ簡単におじいちゃんおばあちゃんがお茶を入れているイメージから、高齢の親でも安全に使えるならこの電気ポットを贈ってみようかな、と思わせるような購買意欲を高める効果をもたせているでしょう。


テレビCMなんかでは芸能人が何らかの商品のイメージキャラクターとして使われていますが、そのタレントからどのようなターゲット層を暗示しているか考えてみると参考になるでしょう。
そして、当たり前のようにキャラクターを採用しているものの、実際は明示的にベネフィットを伝えたほうが良いような広告がないか探してみると参考になると思います。

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