2013/01/17

差別化のメッセージが消費者に刺さらない!ARROWSの車内広告


電車のドアの上にある広告で、良く富士通のスマートフォン「ARROWS」の広告を見る。
「ヒューマンセントリックエンジン」という人間工学に基づいた機能で、使い勝手の良さにフォーカスしている。

初めて見たときは良い意味で驚きだった。
これまで日本のエレクトロニクス企業は差別化にならないスペック自慢の広告に終始していたからだ。

操作した時の心地よさというスマートフォンの価値軸は、すでにiPhoneが開拓していたのでARROWSの専売特許というわけではない。
それでも広告内容をみると、ヒューマンセントリックエンジンの機能は悪くなさそうだ。
スマートフォンのディスプレイの端っこを触ってしまっても反応しないとか、周りの騒音に合わせて通話音量が上がるとか、鞄の中に入っていると着信音が大きくなるとか。

少なくとも他のスマートフォンではアピールしていないポイントをついていて、他のスマートフォンと差別化できている。

じゃあ売れているのか?というとそれほどでもないようだ。
ランキングを見るとiPhoneを持っているSoftbankではなんとか8位、AUでは圏外。
AndroidのみのDocomoでもなんとか3位だ。


ARROWSの売れ行きがイマイチなのはなぜだろう?


元も子もない言い方をすると、富士通肝いりの使い勝手の良さは、スマートフォン選びに際してさほど重要な問題ではないからだろう。
あったらいけどなくてもいい機能。
それよりデザインだ、電池の持ちだ、ディスプレイの大きさだ。
それが大半のユーザーの本音ではないだろうか。

鳴かず飛ばずだったシュリッツビールを全米一位に押し上げた広告をご存知だろうか。

ビールの製法という、消費者にとっては大して重要ではないことを大々的にアピールして消費者の支持を得た事例だ。
ARROWSのヒューマンセントリックエンジンも消費者にとって大して重要ではない(失礼!)ことをテーマとした広告だ。

なぜシュリッツビールの広告は大きな成果を上げたのにARROWSの広告は効果がでないのか?

おそらく、ビールは味以外の差別化する要素がないコモディティだからだ。
だからこだわりの製法という新たな価値をアピールする広告に大衆が反応したのかもしれない。

一方、スマートフォンはすでに普及しつつあるが、他の製品と差別化する要素はたくさんある。
だから使い勝手という価値は無視された、ということではないか。


スマートフォンが本当にコモディティ化していれば、富士通の広告は上手く行ったのかもしれない。
タイミングの重要さを感じさせる事例です。


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