2013/02/16

顧客のニーズを徹底的に捉えるインフォマートのビジネス



インフォマートはB to B企業間の電子商取引プラットフォーム事業を展開している。

企業間の取引は、かつては受発注書や検収書を郵送したりFAXするのが主な方法だったが、最近ではメールやインターネットを使った専用プラットフォームを使うケースも多くなってきた。
しかし、専用プラットフォームというのはAmazonや楽天に近い操作感のB to B用のECショップのようなものだ。
専用プラットフォームはソフトバンクBBや大塚商会のような多くの流通業者が提供している。
こうした専用プラットフォームが不便なのは、もし売り手企業が用意したプラットフォームを使うとすると、買い手企業は受発注業務のパターンが取引先の数だけ増えていき、購買部門や経理部門の負担が増していくことになる。

発想を転換すると、相手がどの企業でも利用できる共通商取引プラットフォームがあれば、受発注業務が飛躍的に効率化できる。
この発想は特に欧米で支持を受けていて、SAPグループのAribaなどが有名だ。
インフォマートはこのB to B電子商取引プラットフォームを国内飲食業界向けに提供している。


インフォマートが受け入れられた理由
電子商取引プラットフォームの提供は明らかにメリットがあるので、顧客に受け入れられて当然のようにも見えるが、そんなに簡単なことではない。
タイムリーで正確な受発注は飲食業にとっては非常に重要なことなので新しい受発注の方式を受け入れるのは不安があるだろうし、買い手でも売り手でもない第三者が提供することに対する抵抗もあるだろう。
それでもインフォマートが支持を得られた理由には、徹底的に顧客の利便性を追求した点にある。

最近インフォマートが開始した新しいサービスを例に見てみよう。
従来のサービスではインフォマートの電子商取引プラットフォームを利用すると、食材の受発注とその食材の原産地やアレルギー情報も自動的に取得できる仕組みだった。
顧客である店舗から食材単位だけではなくて、その食材を使用しているメニュー単位で原価やアレルギー情報を知ることができたらいいのに、という声に答えて新たに追加されたサービスだ。

日経MJ 2013/2/13 P.15−−−−−−−−−−−−−−−−
インフォマートが1月から飲食店を対象に始めた新サービス「ASPメニュー管理システム」が好評だ。料理の原価や原産国情報などを食材単位ではなくメニューごとに管理・更新する。入力や更新も手間がかからず、業務効率化につながるという。導入企業は50社を超えた。

飲食店では飽きられないために頻繁なメニューの見直しを迫られている。だが、中小規模では原価や原産国、アレルギー情報などの細かな管理は手間と人件費がかさみ、手が回らないという例は珍しくない。

使い方は簡単だ。最初に料理ごとに使う食材と分量を登録しておけば、原価を自動的に算出し、アレルギー情報なども示される。仕入れ発注するたびにメーカーから提供される価格変動などの最新情報が反映され、飲食店側は更新の手間がかからない。

調理工程を管理しやすくなるメリットもある。中小店では「料理長が口頭で説明しても、他の料理人がうまく料理を作れないという店も珍しくない」(同社)。ASPメニュー管理システムは、料理の調理手順を写真付きで登録することもできる。料理人による調理方法や盛り付けのばらつきがなくなり、料理の質が安定すれば、顧客サービスの向上にもつながる。
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インフォマートの電子商取引を使用していた飲食店は、始めはそれだけで満足していたが、結局メニューごとの原価計算は手で仕分けしなければならないという課題を抱えていた。
飲食店側がインフォマートに相談を持ちかけ、この課題に対する解決策となるサービスをインフォマートは形にしたのだ。

インフォマートはターゲットを飲食業界に定め、飲食業の店舗とサプライヤーの課題にひたすらに答えてきた。
その結果飲食業界の電子商取引で3万社以上の顧客を獲得している。


新規性商品と成熟商品:ブランディングの違い
インフォマートの例を見ると、あるマーケットにとってまだ新しい商品カテゴリーでは、まずは顧客の要求に応えて支持を得ることが重要であることが分かる。
認知を得るための多少の広告宣伝は必要だが、自社商品のポジショニングを気にかける必要はない。

前回までのポストではヤンミ・ムン教授の著書を元に、成熟商品カテゴリーではその他大勢から浮かび上がらせるブランディングの必要性を説いた。


しかし、あくまでもこれは成熟商品カテゴリーでのポジショニングの話であり、新規性のある商品では別の話だ。
例えば新規性のある商品がホスタイルブランディングをしてしまったら、誰も手に取らない商品になってしまうだろう。
新規性のある商品の場合は奇異なブランディング戦略を使わずに、顧客の課題解決に集中しよう。




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photo credit: PetitPlat - Stephanie Kilgast via photopin cc

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