2013/02/21

不動産仲介業という特殊なビジネスモデル

確定申告の時期ということで所有物件の申告をしなければいけなかったり、引越しを考えているので物件探しをしたりと、なにかと不動産に縁のあるこのごろ。
不動産業界というのは全体的に特殊なビジネスだし、業界の雰囲気も独特だと感じさせられる。

不動産業界の何が特殊かというと、建売や不動産を所有する会社もあるが、市場参加者の多くが個人であり、個人の資産である不動産を中心とした業界であるということだ。

不動産業界の中でも特に特殊な存在だと私が感じるのは、仲介業者だ。
不動産仲介業者には売買の仲介と、賃貸の仲介がある。
仲介業者のビジネスモデルは、買主と売主、あるいは貸主と借主の間で不動産の売買や賃貸契約の成立を仲立ちするビジネスだ。
物件は買主の物なので、何か付加価値を高めるような企業活動は行わない。
つまり、自分たちで商品を生産することもなければ、人的リソースを投入して付加価値をつけることもない。
シンプルに物件という他人の資産の売買または貸借を仲介することで生計をたてるいわゆるブローカーだ。

不動産業界の特殊性は、その業界にいる人達もよく口にする。
しかし、それでも不動産業、その中の一例としての仲介業でも、ビジネス全体の一部に光を当てると、意外と似通っている業界は多いのだ。


他人の資産の売買を仲介するブローカーという視点で見ると、実は証券会社に似ていることが分かる。
上場企業の証券という資産を売りたい人と買いたい人の間をとりもち、そこに手数料を課すことで事業を成立させている。
扱える証券、または物件はどこの業者でも基本的に一緒なので、扱っている商品以外で差別化を図らなければならない。
それが証券会社の場合はアナリストのレポートだったり、証券を売買するためのウェブツールの使い勝手だったりする。
不動産仲介業者としては、証券会社が行なってきた企業努力を参考事例として自社の差別化に活かすことが出来るだろう。


さらに、少し視点を変えてみると、不動産仲介業はお見合いサイトや結婚仲介業のようなマッチングビジネスと共通する部分も多い。
賃貸マンションを探している人は、人それぞれ違ったニーズを持っており、物件もそれぞれ違った価値を持っている。
仲介業者の腕の見せ所は、顧客の本質的なニーズを引き出して、それにマッチする物件を紹介することだ。
物件を結婚相手に変えれば、全く結婚仲介業と同じであることが分かるだろう。


「個人や企業が所有している不動産という資産を売主と買主の間で、または貸主と借主の間を仲介する事業」という定義をしてしまえば、不動産仲介業は唯一無二の特殊な業界になってしまう。
しかし、一般化・抽象化して思考の次数を上げて考えると、実は似たような業界は少なくない。
自分の会社が属する業界が特殊だと思ってしまうと、そのたこつぼのような業界から抜け出す事業モデルの発想は難しい。
次数を上げて共通点のある他の業界を見出し、参考にすることによってイノベーションが起こせる可能性がある。
特に、不動産仲介業のようにビジネスモデルが長い間進化していない業界にこそチャンスが有る。






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photo credit: Neil Kremer via photopin cc

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