2013/02/05

なるほどそういう目的だったのか!サンリオとパソナのアライアンス


派遣会社パソナグループの子会社、パソナマーケティングは、サンリオとビジネスアライアンスを結び販売員を希望する登録者向けに研修プログラムの提供を開発した。
この研修プログラムのターゲットは、一般の販売員を希望する人も対象ではあるがメインはパソナ登録している販売員を希望する派遣社員候補たちだ。
パソナに登録している人は1講座(2時間)を1500円で受けられるが、未登録者は3000円かかる。


人材派遣事業を主とするパソナがサンリオと協業して販売員教育事業を行うのはなぜだろう?


第一に、販売員を希望する派遣社員社員の登録数を増やすこと。
人材派遣業はその事業の性質から、人材が多すぎても紹介希望が多すぎてもダメだ。
人材が多くて紹介希望が少な過ぎれば、登録者は他の人材派遣会社に移ってしまう。
特にスキルの高い人材のつなぎとめは重要だろう。
逆に人材が少なくて人材紹介の要求が多過ぎると、やがて紹介希望を満たせないことに企業が業を煮やしてその人材派遣業者へは案件を回さなくなってしまうかもしれない。
そのためには優秀な人材を多くストックし、たくさんの案件を取って来なければならない。

派遣登録者の視点からすると、販売員の研修を受ければ客観的な販売スキルの証明ができ、案件が自分に紹介されやすくなることが期待できる。
パソナに登録すれば研修も安価に受けられるので、登録しない理由はない。

採用する企業にとっても、サンリオ監修の研修に裏付けされたスキルを持っている人材は選択しやすいだろう。
こうした研修をパソナが自社で提供するということも考えられるが、研修プログラムを作成するにはノウハウや多くのリソースが必要になる。
それに、派遣会社が自前で提供した研修で候補者のスキルをアピールするよりも、第三者であるサンリオが作り上げた研修を終了していることのほうがアピールになるだろう。
第三者によるリファレンス効果というやつだ。


一方サンリオの目的は何だろうか?

研修を行うことによる講師料の収益も多少あるかもしれないが、メインは研修スキルやノウハウを蓄積することと、優秀な販売員の囲い込みということになるだろう。

最近よく新聞でも目にするが、震災以降モノ消費よりもコト消費が増えているという。
アミューズメント施設や体験型施設などの人気が高まり、レジャー客が増えているのだそうだ。

ディズニーランドに代表されるコト消費企業において最も重要な差別化要素はなんだろう?

それは従業員の質だ。
従業員の質が提供するサービスの質を左右する。
だからこそ、優秀な人材をなるべく安くコストで手に入れることが肝になる。

優秀な人材を獲得するには、まず優秀な人材を獲得することであり、同時に人材を教育する優れた教育システムが必要だ。
だからサンリオは販売員研修に参画することによって優秀な人材を囲い込もうとしているのだろう。
また、販売研修を行う事によって講師に研修のノウハウが貯まる。
こうして獲得されたノウハウをサンリオの社員教育にも使えるというわけだ。


企業同士のアライアンスには様々な形があるが、サンリオとパソナのアライアンスはなかなか面白い。
パソナ視点からすると、アライアンスによって顧客だったサンリオをコンテンツ提供者=仕入先とし、逆にお金を稼いできてくれるはずの派遣社員から料金を徴収するというモデルを作り上げた。
顧客の転換だ。
新しい事業を企画するときにはこうした顧客の転換を考えてみてはどうだろうか。




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photo credit: theirhistory via photopin cc

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