2013/02/06

セグメンテーションは利用目的とベネフィットに現れる


今日はマーケティングセグメンテーションについてのお話。
事業戦略やマーケティング戦略を考えていると、必ず自社の製品やサービスのターゲットは誰か、という話になる。
しかし、ターゲットが個人であれば使い古されたM1層とかF2層とか、企業であれば企業規模とか業種・業態からターゲットを探すのは迷宮入りの特急チケットだ。
どのようにターゲットを設定していくべきか、安価な食べ放題の焼肉店とホテルバイキングを比較して考えてみよう。


まず、安い食べ放題の焼肉とホテルバイキングはターゲットが同じだろうか?
結論から言うと、全く異なる。

だが異なるのは必ずしも顧客の年齢・性別・職業という属性ではない。
その違いはどこに表れるのかというと、顧客がその店を利用する目的やベネフィットだ。


安い焼肉の食べ放題を利用する目的は、抽象度が高い言い方をすると栄養補給すること。
お腹いっぱいに肉を食べて満足感を得ることだ。
美味しい焼肉が食べたかったり、みんなで親睦を深めるための食事ならば、肉の質が悪くて時間制限のある食べ放題は選ばない。

ホテルバイキングはどうだろうか。
ホテルバイキングを利用する人たちを具体的に想像してみると、友人たちと食事にきたマダムグループや、デート中のカップルや夫婦が思い浮かぶ。
この人達がホテルバイキングを利用する目的はなんだろう。
マダムグループはホテルの高級な食事をお手軽な価格で食べられているという充足感や、マダム友達との親交を深めることが目的なのだと思う。
一方、カップルたちは、恋人や夫・妻と思い出になるようなイベントとして食べに来ている。


このように、安価な焼肉食べ放題とホテルバイキングは利用目的が全く違う。
利用目的が違うということは利用者も異なってくる。
栄養補給と満腹に肉を食べることが目的の焼肉食べ放題では、必然的に中高生や大学生といった若くてよく食べる男性がメインの顧客である。
つまり、ターゲット顧客が男子中高生、男子大学生ということだ。
ホテルバイキングはというと、30〜40代のママ友や若いカップル、中高年夫婦がターゲットになってくる。


しかし、30〜40代の子供がいて専業主婦の女性は、ママ友との親睦を深めるためにホテルバイキングを利用する人々だけなのだろうか?
必ずしもそうではない。
最近スタミナがあるものを食べていないなと思えば焼肉食べ放題にも行くだろう。
旦那と思い出作りのためにバイキングを利用することもあるだろう。
つまり、利用目的やベネフィットはその人に固定的ではない。


逆に、高級な食事を手頃な価格で楽しみたいというのは、マダムグループだけではなくて、若い女性グループや若い男性単独でもありえる。
思い出作りになる食事をしたいというベネフィットを求めるのは、恋人だけでなく、家族もいる。
これは、同じ利用目的やベネフィットを持つ人は必ずしも同じ属性を持つ人というわけではないことを意味している。


要約すると、セグメンテーションは年齢や性別、職業で分けるものではなくて、商品やサービスを利用する目的で括るということだ。
「IT企業に務める30代男性」のようなセグメンテーションが通用するのは、そのセグメントに属する人々が普遍的に持っている共通点が問題となる場合だ。
例えば、JINS PCがパソコンモニターを長時間閲覧することによる疲れ目を軽減する商品なのであれば、IT企業に務める30代男性をターゲットにするのは正しい。
なぜなら、ほとんどのIT企業勤務者はパソコンモニターを長時間眺めているし、それによって疲れ目を経験している。

このようにターゲットを設定する場合には、自社の製品・サービスが利用されるコンテクストを調査し、利用者の目的を明確に把握することだ。
そうして初めて正しいセグメンテーションが可能になり、自社の本当の顧客への正しいアプローチの仕方を考えられるようになる。





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photo credit: Hamed Saber via photopin cc

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