2013/02/07

企画書の使い方

新規事業の立ち上げという大仕事を成し遂げる上で、企画書の存在は大きい。
企画書は企画者の頭のなかにあるビジネスアイディアを他の人も分かるように紙に落とし込んだもので、その企画書に従い多くの人が携わってビジネスが生み出される。
企画書は新規事業立ち上げにおいて、宝のありかが書いてある地図のようなとても重要なパーツなのだ。

それゆえ、世の中には企画書の書き方に関する本は山ほどある。
しかし、企画書の使い方に関する本はあまりお目にかかったことはない。
どんなに正確に書かれた地図も、正しく使われなければ宝の持ち腐れなのだ。


新規事業立ち上げをやっている私でも、企画書との付き合い方はまだまだわからない部分が多い。
ただ、これまでの経験で企画書とのあるべき関係が少しは理解できた気がするので考えてみたい。


まず、企画書の役割はビジネスの立ち上げがどのフェーズにあるのかで変わってくることは間違いない。
大雑把にいて、企画立ち上げフェーズ、承認フェーズ、立ち上げフェーズの少なくとも3回は役割を変える。


企画立ち上げフェーズ
新事業企画者はまず何らかのビジネスアイディアを考えて、企画書という紙に落としこむ。
この初期の企画書は、誰に・何を・どのように売るか、なぜそのビジネスモデルが上手くいくのかについて簡単にまとめられたものだ。
簡単な市場規模や予想売上程度のざっくりとした数字くらいは載っているかもしれない。

初期段階に作られた企画書は、色の入っていな大雑把な白地図のようなもので、事業立ち上げメンバーや利害関係者とのコミュニケーションの土台としての役割を持つ。
この企画書のベースを元に、立ち上げメンバーと共にもっと具体的な打ち手や顧客のセグメンテーションなどを事業プランを練りあげていくことになる。


社内承認を得るフェーズ
多くの関係者の建設的な意見や身勝手な意見を経て生き残ったビジネスアイディアは、いよいよ経営陣の承認にかけられる。
このフェーズは言わば、その地図にしたがって道を行くべきか否かを決めること。
測量が不正確だったり、ゴールまでの道筋が不明確なものは拒否される。
だからそれなりに具体的で、かつ「正確であるように見える」ことが重要だ。

具体的で「正確であるように見える」とはどういうことかというと、数字で目標とする売上やシェア率が語られていて、しかもその数字に論理的な根拠があり戦略的に実現可能だということ。
少なくとも市場規模がこれだけあってその中でこれだけのシェアを獲得すればこのくらいの売上がある、というような論理性が必要。
企画者の思いだけではダメ。
そしてそのビジネスを自社が行う正当性があり、リソースも充当できることが説明できている必要がある。

このときに作られた企画書は社内承認を得るために作られたもので、立ち上げメンバーの本音とは違うことが書いてあるかもしれない・・・
そして、一度社内承認が通ると1年ないしはじめの数年はこの企画書の数字が目標数値になることが多いので、あまり楽観的すぎるシナリオだとあとで自分の首を締めることになる。


事業を立ち上げるフェーズ
経営陣に企画が承認されて、いよいよ事業を立ち上げるフェーズになってくると、また企画書の役割は変わってくる。
本来的には、企画書には立ち上げようとしているビジネスの青写真が書かれているので、これを参考にビジネスの立ち上げを進めていく。

しかし現実はそうも行かないことが多い。
事業として売上とコストの予算をが与えられた時から企画書は徐々に端に追いやられてくることが多いのだ。

なぜかというと、事業化されると売上や利益ののターゲットが設けられるからだ。
売上のターゲットは立ち上げメンバーの評価やボーナス査定の対象になってくるので、長期的な視点で事業を立ち上げることよりも短期的な目標売上の達成に目線が向きがちになってくる。
短期で実績を出そうとすると、特に営業系のマネージャがそうなりがちだが、過去の経験上これまでうまくいっていた方法で売上を上げようとする。
今年や来年の1億円の目標をアチーブするかもしれないが、数年後に10億円に成長させることはできない。
肥沃な大地に育てる前に刈り取ってばかりではさらに痩せた土壌になってしまう。


企画書はこのように事業のフェーズによって役割を変えてくる。
本来は事業を成長させる上での羅針盤となってくれるはずなのだが、売上目標のプレッシャーから成長戦略よりも短期の売上達成に流れてしまうことがある。
その企画書にそって事業を立ち上げるという判断をした以上、必要の応じて企画書を修正しつつ、企画書に則って事業立ち上げを進めていくことが新規事業立ち上げ成功への近道だろう。





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photo credit: Darwin Bell via photopin cc

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