2013/02/14

成熟カテゴリーから脱出するためのマーケティング

ビジネスで一番、大切なこと 消費者のこころを学ぶ授業

前回のポストでは、過度な細分化によって成熟してしまった商品カテゴリーと、それに対する消費者の反応について書いた。

→ 複雑化しすぎた成熟商品カテゴリーに対する顧客の反応をセグメンテーションする

ある商品カテゴリーが生まれ、いくつもの競合が参入してくると、企業のマーケティング担当者はなんとか他社より抜きん出ようとして消費者の声に応じ様々な機能を商品に付加していく。
それは悪いことではない。
むしろ消費者としては歓迎すべきことだ。

しかし、商品カテゴリーの全ての商品が全ての消費者の声を反映して行くとどうなるだろうか?
驚くことはない、最終的にすべての商品は違いを見つけることが困難になるくらい同質化してしまう。
すると、昨日のポストの通り、多くの消費者はその商品カテゴリー内の特定のブランドへのロイヤルティを持たなくなる。


では自社の製品が属する商品カテゴリーに飽き飽きしている消費者を自社製品に釘付けにするには、どのようなマーケティングをすればよいのだろうか?
前回に引き続き、ハーバードビジネススクール ヤンミ・ムン教授の著書「ビジネスで一番、大切なこと」で披露されているブランディングのアイディアを紹介しよう。


1. リバースブランド

リバースブランドとは、その商品カテゴリーにおける他のブランドが提供している付加価値を除去し、逆に提供されていない付加価値を厚くするというブランディング戦略である。
本書ではIKEAやGoogleがリバースブランドの好例として紹介されている。

例えばIKEA。
IKEAは御存知の通り、スタイリッシュで安価な北欧デザインの家具を販売している家具専門店だ。
スタイリッシュで安価ではあるが、普通の家具屋ではありえない売り方をしている。
家具はフラットパッケージに入った状態で売っており、自分で持ち帰って自分で組み立てなければいけないのだ。
これは、普通の家具家が後日配送してスタッフが設置してくれるという当たり前の付加価値を綺麗サッパリ取り去っている。
反対に、スタイルと低価格という品質が競合を圧倒している。

GoogleはYahoo!やMSNといった先行ポータルサイト・検索サイトの後続として生まれた。
しかし、Yahoo!やMSNと決定的に違うのは、その殺風景なまでに洗練されたトップ画面だ。
Yahoo!やMSNは多くの人が欲しがるであろう多くの情報をそのトップページに配した。
そしてそのコストを埋めるべく広告もトップページにばらまいた。
そのせいで、どのポータルサイトもトップページはごちゃごちゃしていて、配置が違うだけでどのポータルサイトも結局同じようなものだった。

だが、Googleは知りたいことを入力する検索窓だけをトップページに置いた。
Webサーファー達には突然静寂が訪れ、自分が知りたいことだけに集中できるポータルサイトが現れた。
Yahoo!のように明日の天気と今日の株価とニュースハイライトとおすすめのバッグを一度に教えてくれることはないが、Googleは知りたいことだけを素早く教えてくれるというブランドを構築し、既存のポータルサイトにうんざりしていた私のような人々に受け入れられた。


リバースブランドは、ある意味W・チャン・キム氏のブルーオーシャン戦略に近いものがある。
その商品カテゴリーの商品が提供している付加価値の種類を項目として洗い出し、各項目についてポイントを付ける。
成熟した商品カテゴリーではほとんどの商品がそれぞれの項目で同じようなポイントが付けられる。
リバースブランド商品は、ほとんどの商品で高いポイントが付いている項目を除去し、低いポイントが付いている項目を手厚くすれば良い。
ひどく単純化した書き方だが、リバースブランドをブルー・オーシャン戦略風に解説するとこうなる。


リバースブランドの他にも2つ、成熟カテゴリーから脱するためのマーケティング戦略があるが、長くなりそうなので次回に続けます。


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