2013/02/08

官僚組織の非効率なシステム運用



公官庁のIT組織は、システムの企画室だけを自分たちの組織内に置き、システムの設計から運用はすべて外注している。
こうした情報システムの運用方法は民間組織でも決して珍しいものではなく、情報システムのトータルコス削減に繋げている企業もある。
けれど、公官庁・あるいは親方日の丸企業のような官僚組織は実に非効率な運用が多い。
その問題の根源はIT企画すら外注しているところにあると思うのだ。


組織内のシステム部門が企画力を失うと、ふたつの問題が現れる。
一つ目は、各部門が勝手に自分たちで必要な情報システムを企画して導入し、全社的なシステムの統合が失われることだ。
二つ目は、企画力を失った情報システム部門はインテグレーターの言いなりになってしまい、非効率なシステムを買わされるという点にある。


官僚組織のシステム統合力の喪失

ビジネス部門は様々なシステムに対する要求を持っている。
物販がメインのビジネス部門であれば受発注の簡素化を助けるシステムを導入したがるし、ソリューションサービスビジネスの部門であれば契約を統合管理するシステムを欲しがる。
情報システム部門の企画力が不足していれば、ビジネス部門は自分たちで必要なシステムを見つけてきて勝手に導入してしまう。
実際に私が見てきた企業でも、ビジネス部門が主導してシステムを導入してしまい、情報システム部門は各部門が導入したシステムの運用に忙殺されていることがあった。
その結果、システム企画に手が回らないという悪循環に陥ってしまう。


インテグレーターの言いなり化

システム企画力を失った情報システム部は、自社のシステム企画を外部に委託せざるを得ない。
要件定義という名の実質的なシステム企画の丸投げを発注する。

システム企画を受注した企業はしめたもので、自分たちにしか実現できない要件を盛り込んでRFPを出す。
そして高い金額で自分たちが受注するというマッチポンプが行われるのだ。
官僚組織では入札が行われることが多いのだが、実質的に入札はその役目を果たしていない。

高価なシステムだったとしても付加価値のあるシステムだったらまだ良い。
しかし、官僚組織の情報システム部門もシステムを導入・構築するインテグレーターも、付加価値の高さよりも不具合が起きないための冗長性にばかりお金をかける傾向がある。
システムの本質的な価値はダウンタイムの短さよりも課題解決にあるはずだ。
それなのに、課題解決の部分は蔑ろでシステムの堅牢性ばかりが追求される。
銀行システムのように、ダウンタイムが短いことが重要なシステムがあることも確かだが、本質的な視点が抜けているのではないだろうか。


このような官僚組織、特に公官庁の非効率なシステム運用は見ていてとても残念な気持ちになる。
なぜなら、付加価値が低いシステムを提案したインテグレーターに税金が気前よく払われるからだ。
さらに、こんなぬるま湯に浸かってしまえばインテグレーターもまともな競争力を失う。
官僚組織の非効率は民間企業にも伝播してしまう病気なのだ。





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photo credit: mr.beaver via photopin cc

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