2013/03/19

利益モデル2. 製品ピラミッド利益モデル その1



今日はスライウォツキーの利益モデルその2、製品ピラミッド利益モデルについて考えてみよう。
製品ピラミッド利益モデルとは、その名の通り製品ラインナップでピラミッド構造をつくり上げるモデルだ。
ラインナップでピラミッドを作るということは、お分かりの通りそれだけ製品の数が多い大企業向けの利益モデルだ。

本記事では製品ピラミッド利益の構造について解説し、どのような業界やビジネスに向いているのかを考えてみたい。
そして最後に、製品ピラミッドをどこから築くべきかについてもふれてみる。

コンテンツ

   * 製品ピラミッド利益モデルの構造
   * 製品ピラミッドが適用できるビジネスは?
   * 製品ピラミッドはどこから築くべき?


製品ピラミッド利益モデルの構造

製品ピラミッドとは、この記事トップの画像のようにいくつかの階層に分けた製品ラインナップを作り込む利益モデルだ。
この階層が示すものは何かというと、顧客のセグメントだ。
もっと有り体に言うと、その製品に対して顧客が払える額によって分けられたブランドを意味する。
つまり、製品ピラミッドとは低価格・エントリーブランドから超高級ブランドまで、一気通貫のブランド群を作り上げる戦略だ。


なぜ製品ピラミッドを構築すると利益が出るのか説明しよう。
話を単純化するため、ピラミッド構造を3階層とする。
エントリーブランド、ミドルブランド、高級ブランドの3つだ。

先に利益を生み出す仕組みについて種明かしをすると、製品ピラミッド利益モデルが生み出す莫大な利益は、その大半が高級ブランドから生まれる。
販売数で言えば、ピラミッドの図の通りエントリーブランドが最も数が出て、その次にミドルブランドが続き、高級ブランドの販売数が最も小さい。
しかし、製品ピラミッドの頂点に位置づけられた高級ブランドの製品は、エントリーモデルの数倍〜数十倍の価格設定がされ、利益率も同じくらい高いものだからビジネス全体の利益の大半を稼ぎだしてしまうのだ。

では、エントリーブランドは何のために存在するのだろうか?
ピラミッド型利益モデルのエントリーブランドは、販売している数の割に利益への貢献が低い。
むしろ全体の利益率を下げている存在とも言えよう。
しかし、エントリーブランドが重要なのは、未来の上得意顧客とその商品ジャンルとが初めて出会う場所だということ。

あなたはあるジャンルの商品を初めて買うとき、どんな商品を買うだろうか。
趣味としてギターを始めたいな、と思ったときにいきなりFender USAの50万以上する60年代のストラトキャスターを買うだろうか?
せいぜい初心者向け価格である3〜5万のFender Japan製のストラトキャスターを買うだろう。
だが初めて買った商品は安くとも、人間初めて買ったブランドには忠誠心を感じやすいもので、同じ家系の高級ブランドに流れやすいもの。
Fender Japan製ストラトキャスターを購入した人は、次にFender USAを買い、さらには最高級のFender USAビンテージにたどり着く可能性が高くなるのだ。


エントリーブランドの重要性は顧客との出会いの場ということにとどまらず、もう一つピラミッド型利益モデルを構成する重要な核となっている。
その役割とは、ファイアーウォールとしての機能だ。
ファイアーウォールとは元来、火の侵入を防ぐ壁のことだが、ピラミッド型利益モデルの文脈では競合他社が侵入してくるのを防ぐ防御壁という意味合いで使われる。
ピラミッド型利益モデルにおけるエントリーブランドの最も重要な役割は、価格の安さで競合他社をはねのけ、そのジャンルの商品を初めて買う顧客を競合他社の手に渡さないことだ。

高級ブランドで大半の利益を上げているので、エントリーブランドで無理に利益を稼ごうとする必要はない。
エントリーブランドは新規顧客を開拓することだけに特化していれば良くて、あとは自動的に顧客がピラミッドを登って利益をもたらし続けてくれる。
だからこそ、エントリーブランドで競合他社に負けることは許されない。


ミドルブランドはファイアーウォールであるエントリーブランドと収益を稼ぎだす高級ブランドの中間に存在するブランドだ。
だが決してどっちつかずの中途半端な存在などではない。
エントリーブランドから高級ブランドへ向かう間に魅力的なミドルブランドが欠けてしまうと、顧客は容易に他の選択肢に飛びつき戻ってこなくなってしまうかもしれない。
それを防ぐために、ミドルブランドは抜け漏れがないよう、しっかりと高級ブランドへ橋渡しをする役割を全うできるブランドでなければいけない。


まとめると、製品ピラミッドの狙いはエントリーブランドで高級ブランドの顧客予備軍をできるだけ多く招き入れ、顧客の経済的・人間的成長とともにミドルブランドへステップアップし、最終的には高級ブランドへ辿り着いてもらうことなのだ。
そしてなるべく多くの予備軍を確保するため、エントリーブランドは品質を維持しつつ利益度外視の価格で競合を市場からシャットアウトする。
それがこの製品ピラミッド利益モデルのカラクリなのだ。

続きは次回の投稿で。


同テーマのエントリー:
2013/3/20 利益モデル2. 製品ピラミッド利益モデル その2
2013/3/21 利益モデル2. 製品ピラミッド利益モデル その3

関連記事:
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