2013/03/30

利益モデル4. スイッチボード利益モデル その1



今回はスライウォツキー利益モデルの4番目、スイッチボード利益モデルについて考えてみたい。
実はこの4番目のスイッチボード利益モデル、最近のWeb系ビジネスモデルで中心的な仕組みとなっている利益モデルで、犬も歩けば棒に当たるという勢いで実践的ケースに出くわすのだ。
その理由の一つは、以前よりも垂直統合型企業が減り、一つひとつの企業が特定の分野でスペシャリストにならなければ生き残れないというビジネス環境にある。
この辺りは後半で論じてみようと思う。

Web系のビジネスに携わる人達にとっては必修科目とも言える利益モデルなので、しっかり理解していただきたい。

コンテンツ

  • スイッチボード利益とは何か (今回)
  • スイッチボード利益ビジネスの事例 (その2)
  • システム価値の自己増殖
  • スイッチボード利益企業のコアコンピタンス
  • Web系スイッチボード利益企業の次の展開

スイッチボード利益モデルとは何か

■スイッチボード利益モデルの特徴

そもそもスイッチボードという単語はいまいちピント来ないよ、という方が多いだろう。
スイッチボードは日本語で配電盤という意味で、コトバンクによると「電源と負荷との間にあって電気回路の開閉や電気系統の切換えを行うための設備」という説明だ。
生粋の文化系である私にはよく分からないけれど、複数の線路間の切り替えスイッチみたいなもので、スイッチを操作することで右から来る電車を意図した左のレールに、左から来る電車を意図した右のレールへ仕向けるような仕組みだ。
この記事のトップにある図を見ていただければイメージしていただけるだろう。

ではこのスイッチボードというアナロジーがビジネスのコンテキストでどのような意味合いを持つのかというと、スイッチボードの役割を担う企業は売り手と買い手を仲介することで両者に付加価値を提供する。
売り手が単独で顧客を探すよりも多くの潜在顧客と出会うことができ、買い手が単独で商品を探すよりもより良い商品、より良い取引条件、より信頼できる企業を見つけることができるというベネフィットを提供する。
それがスイッチボード利益企業の特徴だ。

■スイッチボード利益ビジネスモデルはBtoCオンリーなのか?

スイッチボード利益企業はいわゆるマッチングを手がける企業だ。
マッチングするのはある商品カテゴリーの売り手と買い手であることが多い。
例えばレストランとレストランを探している顧客のマッチングサイトである「食べログ」や「ぐるなび」が良い例だ。

マッチングサイトと言うとBtoCのイメージが強いかもしれないが、決してBtoCでしか成り立たないというものではない。
例えば楽天では、ITを中心とした単発外注案件のマッチングを中心とした「楽天ビジネス」を展開しているし、リクルートはITソリューションのマーケティング支援サイトの延長としてマッチングの機械を提供している「キーマンズネット」がある。

関連エントリー:
2012/9/4 「ポータルサイトビジネスをBtoBにも適用できない?」
2012/9/6 「ポータルサイトビジネスをBtoBにも適用できない?2」
2012/9/7 「ポータルサイトビジネスをBtoBにも適用できない?3」

■利益を得る方法

スイッチボード利益モデルについてはある程度理解いただけたと思う。
最後にこの利益モデルがどのように利益を生み出すのかを考えてみたい。

マッチングを行うスイッチボード利益企業は基本的に製品を販売していない。
主な収入源は2つ、売り手が(稀に買い手も)マッチングに参加することによる会員費と、マッチング成功時に得る手数料収入だ。
「ぐるなび」や「食べログ」はレストランから月額数万円の会員費を取り、さらにプロモーションのメニューを用意し、希望するレストランへ有料で販売している。
前述の「楽天ビジネス」は確証はないが恐らく成立した取引の数%が楽天に入るという形になるだろう。

手数料はマッチングによって成立した取引の数%〜高い場合には50%程度と大きなばらつきがある。
製品販売などでは手数料が低く、情報商材やセミナーなどの無形サービスでは数十%というのが相場になっている。
売り手企業の販売価格に占めるマーケティングコストの割合が反映されているようだ。

ひとつ補足すると、一昔前まではマッチングというよりも広告枠の販売という形で売り手と買い手を結びつける広告企業が多かった。
しかし、広告枠販売の場合、利用する企業としては先行投資になってしまい、効果が出ないとただの無駄金になってしまっていた。
時代の要請か、広告枠販売ビジネスは徐々に減少し、ネット広告を中心とした実績報酬型の広告が増えてきている。
こうしたビジネス環境の変化もスイッチボード利益モデルの繁栄に貢献しているようだ。


次回はスイッチボード利益モデル企業の事例を見ていこう。


関連エントリー:
2012/4/1 「利益モデル4. スイッチボード利益モデル その2」


関連エントリー:
2012/3/16 「エイドリアン・スライウォツキーのプロフィット・ゾーン経営」
2012/10/21 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 1
2012/10/22 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 2
2012/10/22 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 3




 

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