2013/03/11

文具卸がカフェに挑戦 文房具カフェ


2000年ごろからITの発達により大きな変革が訪れた業界がたくさんある。
ITによって引き起こされた変化の中で、様々な業界で共通して発生している変化がある。
それは、卸業者の存在感の低下だ。
そんな状況にあって卸売業者は自ら販売を手がけるか、製造を手がけるかで存在感を回復しようとするケースが多いが、第三の選択肢として全く新しい業種に打って出るケースもある。
文房具卸の東光ブロスが手がける文房具カフェがその一例だ。


サービス
文房具カフェはカフェとしては非常に珍しい会員制を採用している。
会費700円を支払えば、会員専用の文房具の引き出しの合鍵がもらえ、飲食代が10%になり、会員専用のパーティーやイベントに参加できるのだ。
それ以外にもセミナーに使える貸し会議室スペースも用意されており、様々な形態のカフェの中でもコミュニティのアジトというポジショニングを狙っている。
コミュニティ感覚が好きなユーザーにとっては、会員証代わりの合鍵なんかはグッと来るらしい。
ターゲットユーザーは文房具好きのニッチユーザーやコミュニティ好きを想定しており、そのターゲットユーザーに向けられたサービスはニーズやウォンツをよく捉えている。
恐らく、発案者が自分をターゲットユーザーのペルソナにしているのだろう。


カフェ事業を始めた理由
文房具カフェは東光ブロスの経営者兄弟が独自に考えて始めたビジネス。
文房具にこだわりを持つビジネスパーソンは意外と多く、カフェで物書きをする人が多いという観察結果からカフェと文房具の親和性が高いと考えたのがきっかけだったようだ。

以前の記事でも書いたが、製造と小売の距離が近くなってきた今、卸が生き残りをかけて小売業に挑戦するケースが多い。

東光ブロスがカフェに進出したのは畑違いのビジネスに生き残りをかけたとも言えるが、新しいタイプの文房具小売店を始めたとも言える。
カフェでは飲食ができる他、こだわりの文房具がたくさん並べられていて、もちろん購入も可能だ。

東光ブロスは、このカフェ事業を新たな事業の柱として考えているようで、決して本業へ誘導するための入り口とは捉えていない。
本業として成り立たせるためには固定ファンが必要で、それ故に会員制を採用している。


文房具カフェは成功するか
コンセプトが面白いし、ニッチなニーズを捉えている。
しかし、主力事業とするのは少しばかり難しいのではないだろうか。
文房具大好きという狭いニーズと単価の低い文房具やカフェが主力商品であることが課題だ。

文房具好きがどれだけ存在するかは分からないが、文房具カフェと聞いていてもたってもいられないという人はさほど多くないはず。
そして、ニッチなターゲットは深堀りして顧客一人あたりの購入額を上げるしかないが、文房具という安価なコモディティではなかなかむずかしいのではないだろうか。
カフェに力を注いでいけば他店舗展開も可能だが、文房具カフェである必然性が薄れてしまう。
文房具への個人的な興味もあって今後どのように展開していくのか注視してみたいビジネスだ。










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