2013/03/16

エイドリアン・スライウォツキーのプロフィット・ゾーン経営

エイドリアン・スライウォツキーは、私が敬愛するビジネス戦略論の大家の1人だ。
「プロフィット・ゾーン経営戦略」や「ザ・プロフィット」では豊富な事例とともに利益モデルの重要さを説いている。
利益モデルとは一般的に言われるビジネスモデルに近いものだが、ビジネスモデルは付加価値の移動とキャッシュの移動を図解しているのに対し、利益モデルはビジネスモデルの中で利益がどこでどのように生まれるかに焦点を当て、解き明かそうという試みだ。

どの業界でも大手企業は長らくシェアを競い合う熾烈な競争を繰り広げてきたが、シェア拡大、売上拡大にこだわるあまり利益管理が等閑になっていることが少なくない。
しかし、シェア拡大=利益率向上という図式がいつの間にか成り立たなくなっており、黒字倒産ならぬシェアナンバーワン倒産のような事態を招いてしまっているのである。
スライウォツキー氏は企業の間違ったシェア追求経営に警鐘を鳴らし、利益が生まれるゾーン、すなわちプロフィット・ゾーンを意識した経営をすべきだとしている。

では、シェア拡大が利益率拡大に繋がらなくなてしまったのはいつからなのだろうか?
契機は需要と供給の逆転だ。
需要が大幅に供給を上回っていた時代、米国や日本で言えば第二次大戦の復興期には、企業が製品を作れば作るほど売れていくという夢のような時代があった。
いわゆる売り手市場だ。
このころは技術イノベーションによる製造技術の向上や製造コストの削減が利益率に直結していた。
だから単純にモノが売れれば売れるほど利益が積み重なり、サプライヤーに対する交渉力が高まって利益率も改善した。

だが、人々に十分にモノやサービスが行き渡った頃から状況は変わってきた。
顧客のニーズは多様化し、企業の都合でデザインされ作り上げられた商品は見向きもされず、真に顧客のニーズを捉えて顧客の利益を高める商品しか売れなくなってきたのだ。
多様化した顧客のニーズを捉えようとすると必然的にセグメンテーションが細かくなる。
細分化されたセグメンテーションへ以前のように誰にでも合うOne Size Fits Allのような商品を提供していても売れなくなるのは当然であった。

そこで生まれたのがプロフィット・ゾーン経営という考え方だ。
細分化された顧客のニーズに合わせて商品を開発して売るだけでは、利益が得られない。
だからビジネスデザインにあらかじめ利益を生みだす仕組み、つまり利益モデルを組み込んでおくのだ。

スライウォツキー氏は、書籍によって違うのだが、22か23の利益モデルを定義している。
しばらくこのスライウォツキー氏の利益モデル一つ一つについて記事を書いていきたい。


2013/3/18 利益モデル2. 製品ピラミッド利益モデル その1
2013/3/20 利益モデル2. 製品ピラミッド利益モデル その2
2013/3/21 利益モデル2. 製品ピラミッド利益モデル その3


関連記事:
2012/10/21 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 1
2012/10/22 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 2
2012/10/22 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 3








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