2013/03/22

クラウドソーシング時代のサバイバル術


最近「クラウドソーシング」というキーワードで個人の力をビジネスに活かす試みが活発になってきている。

これまでは企業が外注する業務の全体からすると個人に委託する割合は少なく、少なくともリモート(在宅)で仕事をしている個人相手に外注することはデザイナーや翻訳家のような一部のケースを除いてはあまりなかったことだろう。
それが、企業からリモートへの個人の外注を取り次ぐ仲介業者、クラウドソーシング仲介企業の出現で変わってきている。


日経MJ 2013/3/21 P.3――――――――――――

インターネットを通じて企業が不特定多数の個人らに仕事を発注できる「クラウドソーシング」が広がっている。専業が急成長しているほか、ネット大手も参入。発注内容は単純業務にとどまらない。専門的なノウハウや販促策のアイデアを募る。商品開発やマーケティング戦略の根幹を担う例も出つつある。「自前主義」の呪縛から逃れ、低コストで付加価値を生む外注戦略がネット時代の成長のカギを握る。

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クラウドソーシングのメリット・デメリット

外注先が個人の集団に広がることは、外注する企業とそれを受注する個人にどのような影響を持つだろうか。

外注する企業にとっては、ある意味非常にメリットが大きいだろう。
まず、大幅なコスト削減になる。

外注先が個人であれば、外注先が企業のときと比べてコストが大幅に削減出来る可能性が高い。
なぜなら、個人には企業特有の間接費がほぼかからないので、純粋な人件費が価格のベースになるはずだからだ。
言ってみれば、社内の誰かに仕事を頼むよりも論理的な価格は下がることになる。
間接費の大きさと外注先個人の単価にもよるが、3〜5割のコスト削減になるのではないだろうか。

しかも、リバースオークション形式で外注を掛けることになれば、さらにコストは圧縮することができる。
個人にリバースオークションで外注するほうが、複数企業に相見積もりを取るよりも対象者が多いし、意思決定も個人の方が早いので価格が下がりやすいだろう。

さらに、B to Cビジネスの企業にとっては消費者の声をダイレクトに聞くことができるチャンスでもある。
ある企業のなかで何年も何十年も同じプロダクトやサービスと関わっていると、全く公平に自社の商品を見ることが困難になる。
消費者の声を聞くためにインタビューやマーケティングリサーチをすることはできるが、消費者を商品開発の舞台へ迎えるのは難しいだろう。
日経MJの記事にもあるが、マーケティングや商品開発にもクラウドソーシングを通じて個人を参加させて成果が出ているようだ。


個人にとってのメリットはどうだろうか?
一番はじめに思いつくのは、ワークスタイルのオプションが増えるということだ。

クラウドソーシングならば、自分が得意で好きな仕事を好きなときに好きな場所で受けられる。
もちろん、需要があればという前提にはなるが。

仕事をしていたが、子供が生まれて家庭に入った女性や、介護など様々な理由で在宅ワークする個人にとっては利用価値が高い仕組みだろう。
また、スキルを学び、そのスキルを活用してプロフェッショナルとして仕事をしたいという人にも向いているのかもしれない。


クラウドソーシング時代の落とし穴

クラウドソーシングはには個人に働き方の新たなオプションを与える一方、そこで働く個人を付加価値の低い単純作業労働者にしてしまう可能性がある。

たしかにクラウドソーシングは個人に働き方の新しいオプションと、自分のスキルを活かした働き方を提供するシステムではある。
しかし、市場参加者が増えてクラウドソーシングのマーケットができ上がると、既存のマーケットと同じように市場原理が働く。

クラウドソーシング市場の中で個人が気をつけなければいけないのは、自分の提供できるスキルや付加価値がコモディティであるかどうかだ。
市場参加者が増えると、それまでは需要に対して供給が少なかったため引く手数多で契約金額も高かったスキルの供給が増え、暴落してしまうかもしれない。
コモディティ化の恐怖だ。

クラウドソーシングの落とし穴に落ちない方法

自分がコモディティになってしまうことを防ぐには、いくつか手段がある。
一つは、個人としてキラ星になることだ。
黙っていても企業から三顧の礼で仕事を頼みにくるような存在になることだ。

そんな存在になるためには、複数のスキルを組み合わせてニッチ分野のスペシャリストになるか、インフルエンサー/キュレーターという企業にとって利用価値の高い存在になることだ。
もう一つは、クラウドソーシングの胴元になることだ。
自分がビジネスオーナー・資本家となって、個人として市場に参加しないこと。
個人はクラウドソーシング市場の駒であり、搾取される存在だ。
なぜならその市場を所有しているビジネスオーナーと資本家がそうルールを定めたからだ。
人が作った市場を泳ぎきる自信がないのなら、胴元に身を寄せるのも一つの選択肢だ。







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