2013/03/03

インフルエンサー、キュレーターという新しいマーケティングチャネル


ここ数年でブログメディア、動画サイト、SNSなどのCGM(Consumer Generated Media: 消費者生成メディア)が発達し、情報流通における消費者の存在感が爆発的に大きくなった。
消費者はかつてのように企業広告を見て購買意欲を持ち、リテールストアで商品について質問し、購入するという行動ではなくなった。
他の消費者がどのようなプロダクトを使っているのかをツイッターやFacebookなどで知り、他の消費者がそのプロダクトをどのように評価しているかをブログメディアで調べ、購入するという行動に変わってきた。
企業広告も、消費者がプロダクトを認識し、購買意欲をもたせるぐらいの効果はまだ持っているかもしれないが、顧客の購買行動に対する企業広告の関与は相対的に地盤沈下しているのは間違いない。

今はやりの(?)ステマやペニーオークション詐欺みたいなことが発生するのも、企業スポンサー広告の効果が低くなってきたことに端を発する。
企業が自社製品の宣伝効果を高めるためにどのようにCGMを活用するかは、B to C企業のマーケティングにおける緊急課題なのだ。


そこで今重要になっているのが、CGMにおけるインフルエンサー、キュレーターという新しい役割を担う消費者だ。
少しインフルエンサーとキュレーターという言葉の意味について触れておこう。
インフルエンサーとは元の英単語であるInfluenceが意味する通り、多くの人に影響を与える人物を意味する。
ブログメディアで言えば、多くの読者を抱えていてその読者の思想や行動に対して大きなインパクトを持つ人たちのことだ。
キュレーターはWebに散らばる有象無象の情報フィルターして特定分野の人たちに有益な形で再編集する人たちのことだ。
キュレーションに長けているということは多くの人に影響をあたえるという意味では、インフルエンサーと重複している部分も少なくない。


このインフルエンサーやキュレーターは、新しいマーケティングチャネルとして確固たる地位を築き始めている。

企業がインフルエンサーやキュレーターを活用した例を取り上げてみよう。

日経MJ 2013/2/20 P.1――――――――――――
2月上旬までの約1ヶ月、ローソンのレジに取り付けられた画面に時折、緑一色の背景で踊る若い女性の映像が流れた。niconicoの投稿動画で人気の踊り手、愛川こずえさんだ。おでんの美味しさを伝えるローソンのオリジナルソングが流れる。

ローソンはniconicoに開いた公式チャンネルでも動画を公開。ファンの熱い応援コメントが画面を飛び交い約2万回再生された。
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ローソンはLineでもいち早く公式アカウントを作るなど、コンビニ業界の中でもSNSに力を入れている企業だ。
CGMを使った広告は、これまでと全く異なったバリューチェーンとなっていることがお分かりだろうか。

これまでのマス広告は、できるだけ多くのターゲット層に到達できるメディアに対して無差別に広告を投下し、興味のある人を集める仕組みだった。
投げ網漁というイメージがピッタリだ。
一方、CGMのインフルエンサーやキュレーターを活用した宣伝は、インフルエンサーが持つコミュニティという狭い領域に対してリーチする。
対象範囲は狭いが、インフルエンサーというボーリングのキングピンを擁しているので、コミュニティに対して強い訴求効果を持つことができる。
マス広告は認知を得るくらいしか効果をもたせることはできないが、インフルエンサーを活用した宣伝は購買行動まで一気に導くことも可能だ。


最近ではこのインフルエンサーをあぶり出すビジネスも出てきている。

日経MJ 2013/2/27 P.3――――――――――――
日本ケンタッキー・フライド・チキン(日本KFC)は昨年末から自社のフェイスブック公式ページでファン度合いを診断する「アイラブケンタッキー」というキャンペーンを始めた。フェイスブックかツイッターのアカウントを使ってログインすると、過去の発言内容などを基にはじいたケンタッキーのファンレベルが数値で表れる。

日本KFCが活用したのはアジャイルメディア・ネットワーク(東京・渋谷)が提供する「ユーザーチャート」。同社ではブログやインスタグラムなど8個のソーシャルメディアの分析を可能としており、個別SNSの影響力のほか、総合的な影響力も算出できる。反対に、日本KFCのように自社ブランドや自社製品について影響力を持っている人を見つけ出すことも可能だ。
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新しいマーケティングチャネルとしてSNSなどのCGMが台頭してくるならば、当然その水先案内人が必要になってくる。
インフルエンサーやキュレーターの取り込みも重要になってくるが、そのインフルエンサーやキュレーターを見つけるためのサービスに対する需要が当然ながら生まれる。

今後、CGMを中心とした宣伝広告は、既存の広告業界とは全く異なったプレイヤーとビジネスモデルになって市場を拡大していくだろう。




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photo credit: Sergiu Bacioiu via photopin cc

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