2013/03/05

孫子の兵法とビジネスにおける防衛戦

あなたは自分が損をしても一転の曇りもない清廉潔白なビジネスをしたいだろうか?
それとも、法に触れない限りダーティな手を使ってでも最大限の利益を上げるようなビジネスをしたいだろうか?
恐らくほとんどの人が、思想上ではその中間を選択するだろう。
積極的にダーティな手を使うつもりはないけど、灰色なことも時には必要だよね、という両天秤な考え方だ。

そんな中道の考え方は決して悪いとは思わない、というかむしろ正しいと思うのだが、世の中それで乗り切れるのだろうか。


渡る世間は敵ばかり

どんなにガンジー的な清廉潔白なビジネスの営みをしたいと思っていても、ライバルも同じ想いを持っているとは限らない。
自分から積極的にダーティな手を使うまいと思っていても、ライバルが仕掛けてくるかもしれない。
もしライバルが、例えば敵対的な買収のような攻撃を仕掛けてきたとしたら、あなたの主義思想に関わらず防衛のために戦わざるをえない。
はじめから守勢にまわって防衛戦に勝てる可能性は高くないだろう。

優秀な部下を最大限に活用してアメリカンドリームを実現した、かの有名な鉄鋼王アンドリュー・カーネギー。
彼も実はかなりダーティーな手を使って勢力を拡大していた。

2013/3/4 Market Hack—————————
例えばカーネギーは他社の株を静かに買い占め、相手の経営者の給与や交際費を細かく調べます。そして同業者を集めた会合で、それぞれの製鉄会社の役員の誰 が幾ら貰っていて、どんな経費を使っているというのを暴露して、労働争議を焚き付け、ストでそれらの会社の経営が苦しくなったときを見計らって、乗っ取り を企てるという、いわばマッチ・ポンプ的なやり方でどんどんライバルの経営権を掌握して行ったわけです。

また最新技術を導入し、画期的なパフォーマンスの鋼鉄を作るデュケイン製鋼所のようなライバルに対しては「あそこの会社の製品は、品質に問題があるから、 使わない方が良い」と鉄道会社の経営陣にタレコミし、経営危機に陥れます。これは後にアイン・ランドが『肩をすくめるアトラス』で描いた、リアデン・メタ ルのエピソードで再現されています。

そうやって相手を倒産させておいて、会社を奪った後、しゃあしゃあとその「使わない方がいい」とアドバイスした製品を同じ鉄道会社に売りつけたわけですからカーネギーの狡猾さは、かなりのものだったに違いありません。
———————————————————

世界中で慈善活動や寄付を行ってきたアンドリュー・カーネギーでこれなのだ。
もしかしたら、ダーティな事業家時代の反省だったのかもしれないが。
ともかく、このような敵対的な攻撃を仕掛けてくるライバル企業はどこにだっている。


蛇の道は蛇

どこに敵が潜んでいるかわからない世の中では、清廉潔白を求める人も中道を求める人も一生敵の攻撃にさらされずに済む可能性は高くない。
完全に打ち負かされなくとも、辛酸をなめさせられることがあるだろう。
これは会社単位の話だけでなく、個人単位でも同じことが言える。
サラリーマンであってもきっと一度くらいは「アイツにいいところを持ってかれた!」というような経験はあるだろう。
自分が成果の殆どに貢献しているのに、結果に対する賞賛や褒賞は全てまじめに働いていないアイツが持っていった、というような。

ではどうすればいいのだろうか?
敵対的で狡猾なライバルから身を守ることができるのだろうか?

仕掛けられる前に仕掛ける?
とんでもない、敵対的な行動ばかりとる人間や国がどういった末路を辿るのかは十分に義務教育で学んだだろう。

わざわざ敵対的な行動をとって身を滅ぼす必要はない。
孫子の兵法にあるとおり、争いが起こる前に相手の策略をくじくのだ。

兵法に長けたものの極地は「戦わずして勝つ」、「まず勝ちて後に戦う」だ。
たとえ行動に出なくとも、自社または自分がライバルを打ち破るために合法的に行えるダーティな手段は何か。
自分が相手だったらどのように自社を突き崩そうとするだろうか。
相手の出方を常に予想して、予め対抗できる手段を考えておくことが不可欠なのだ。

そしてこういう状況だったら相手がどう動くか、ということを知るためには実際のケースから学ぶしかない。
だから我々は歴史やケーススタディを学ばなければいけないのだ。

今日の学び

・自ら攻撃を仕掛けずとも、身を守るために攻撃者の考えを理解しなければならない
・ビジネスでも個人でも、中道でありたいなら「戦わずして勝つ」、「まず勝ちて後に戦う」を目指す
・戦略と戦術を学ぶには歴史とケーススタディを









 にほんブログ村 経営ブログへ

0 件のコメント :

コメントを投稿

LinkWithin

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...