2013/03/06

シニアパワーを活用するならまずは年功序列の撤廃と実力主義


高齢者雇用安定法案により、企業は60歳で定年した社員を、希望者に限り65歳まで雇用することが義務付けられた。
人件費の高い高齢者が増えて社員の平均年齢も上がるという、基本的にはデメリットの多い法案だ。


遅かれ早かれシニアの活用は超高齢化社会日本が解決しなければならない課題であったので、企業は真剣に取り組むべきだろう。
しかし、「シニアパワーを活用するには」という議論をする前に、日本企業の雇用問題である年功序列の撤廃と実力主義の徹底が不可欠だ。
なぜならシニアを活用するには若年層との世代間の不公平感を解決しないことには議論を進められない。
年功序列撤廃と実力主義という土台ができてはじめてシニア活用という課題解決に着手できる。



年功序列ゆえの不公平感

いまの内資企業の給与制度はとても公平感にかける仕組みになっている。
若手と年配の社員が同じ職種、同じ責任であっても給与の違いが数10%〜2倍近くになることが少なくない。
私の会社でも、同じ職種・責任でも若手とシニアでは400万と700万くらいの給与の差があると思われる。
実に1.7倍だ。


年配社員が多く給与を受け取る理由として年の功だとか長年のカンというものがある、と言われるかも知れないがアウトプットにつながらないモノは評価しようがない。
年の功や長年のカンが評価されるのであれば、若手のハツラツさやひたむきさは評価の対象だろうか?
この辺りの不公平感が満たされない限り、若手はどんどんよりよい条件の会社に逃げていくのではないだろうか。
そして、若手を公平に評価する企業ほど優秀な若手が集まり、ますます反映していくだろう。


年功序列を正当化する理由に、年を取ればとるほど金が入用だという主張もあるようだ。
子供の教育費だとか住宅ローンだとか。
それは確かに正しい。
下手をすると、年功序列の撤廃が晩婚化や少子化を増長させるかもしれない。

しかし、よくよく考えてみると、年功序列が撤廃されても給与総額が変わらないのであれば、その企業に終生勤めるとして給与の支給総額は変わらない
若いうちに今よりも高い給与を得て、年を取ると今よりも給与が下がるだけで、論理的には生涯所得は変わらない。
だったら若いうちに自己責任でお金を貯めておけば良い。
若いうちに給与をもらい過ぎると将来に備えて貯蓄しておくことができず、浪費してしまうという声もあるかもしれない。
しかし、根本的な原因は若いうちに自分で給与のうち何割かを運用に充てるマネーマネジメントの教育が足りないだけだ。


ここまでは給与の話ばかりしてきたが、権限や責任の年功序列も給与の不公平感と同じかそれ以上に若手の意欲を削ぐものだ。
意欲が削がれれば自分の実力を出し切ることができず、それゆえに評価が低いというネガティブスパイラルに陥ってしまう。
若手をどんどん起用して実力をつけてもらうほうが、企業運営という視点で見ても理にかなっている。


なぜ年功序列と実力主義がシニア活用に不可欠なのか

ここまで見てきたように、年功序列がはばかる企業では若手と高齢社員の間での不公平感が大きな問題になっている。
不公平感を野放しにしていると、自然の摂理として損していると感じる人は不公平感のない場へ移ろうとする。

かと言って、むやみに年配社員の給与や権限を取り上げれば済むという問題でもない。
定年後の再雇用はただでさえ給与が7割程度に抑えられ、権限も取り上げられて平社員となってしまう。
これ以上年配社員の意欲を削いでは本当に再雇用の意味がなくなってしまう。

この不公平感を拭い去ろうとすれば、結局実力主義しか取る方法がないのだ。
シニアだろうが若手だろうが、1の仕事をすれば1の報酬が得られ、10の仕事をすれば10の報酬が得られる。


理想主義者のような考えに思えるかもしれないが、根本的な問題を解決しないままシニアを活用しようと考えるから無理が生じるのだと私は思うのだ。









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photo credit: Jason L. Parks via photopin cc

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