2013/04/06

利益モデル5. 時間利益モデル その1



今回はスライウォツキーの利益モデルその5 時間利益モデルについて取り上げよう。
時間利益モデルは、比較的小規模の企業でも踏襲しやすいスイッチボード利益や顧客ソリューション利益モデルと異なり、イノベーションを起こすために継続的に投資できる体力がある企業に適した利益モデルだ。


コンテンツ


  • 時間利益モデルとは何か
  • 時間利益モデルの条件
  • 時間利益モデルの例 (その2)


時間利益モデルとは何か

スライウォツキーの利益モデルその5 時間利益モデルは、どの競合よりも先にイノベーションを起こし、競合が追いついてくるまでの間に先行者利益を享受するという利益モデルだ。
最初にイノベーティブな商品、これまでの製品が解決していた顧客の課題を全く異なる角度から解決する商品や性能が飛躍的に高まった製品を市場へ供給し、競合がそれを真似て類似商品を市場に投入するまでの間に利益を稼ぎだすのだ。

法で規制されているような業界でない限り、時間利益モデル企業が利益を享受できるのは類似商品が市場に出回るまでの間だ。
競合企業は時間利益モデル企業が多大な研究費をかけて開発した商品をリバース・イノベーションをして市場に投入すれば、たいてい時間利益モデル企業よりも安価に商品を提供できる。
安価な競合製品が出まわれば、唯一の選択肢しかなかった先行企業の商品からある程度の顧客がそちらへ流れてしまうのは止めようのない流れだ。
だが、顧客が安価な競合製品に流れるまでの間、時間利益モデル企業は高いマージン率の価格を設定することが可能になり、そこがプロフィットゾーンになっているのだ。
それを表しているのがトップの画像だ。


時間利益モデルは選ばれた企業だけに許される利益モデルだ。

基本的に一つの商品カテゴリーで二つ以上の企業が時間利益モデルを構築することは不可能だろう。
時間利益モデルは競合に先駆けて一番初めにイノベーションを起こすことができる企業が享受できる利益だからだ。


時間利益モデルの条件

時間利益モデルを追求するには、最低二つの必須条件がある。
競合より早く連続的にイノベーションを起こす開発力と、それを一気に浸透させるだけのブランド力・マーケティング力だ。

■迅速で連続的なイノベーション■

先の説明の通り、時間利益モデルは競合よりも先にイノベーションを起こし、競合が安価な類似商品を市場へ投入するまでの間に利益を稼ぎきるというモデルだ。
このモデルで成長を続けるには、一発屋ではなく継続的にイノベーションを他に先駆けて生み出し続けるという困難な試練を克服しなければならないのだ。
一つのイノベーションを生み出すだけでも簡単なことではないのに、それを継続的に、しかも他社よりも数ヶ月早く市場を投入していくには、継続的に研究開発へ投資を続ける必要がある。
また、常に他社よりも先に研究成果を出すための先進的な開発のフレームワークを有していなければならない。


■革新性を浸透させるマーケティング■

次に重要なのが、イノベーティブな商品を市場へ浸透させる力だ。
革新的な商品を市場へ投入するだけでは利益は生まれない。
できるだけ多くの顧客に購入してもらわなければならないのだ。

どの点がイノベーティブなのかにもよるが、時間利益モデル企業は革新的商品の革新性を市場に認めてもらうためのマーケティング活動が不可欠だ。
AppleがiPhoneを市場へ投入しその革新性を訴えるために、ハイクオリティなデザインというブランド価値とスティーブ・ジョブズのプレゼンというマーケティングツールを活用した。


時間利益モデル企業は製品開発とマーケティングという二つの車輪を最高速度で回転させる必要がある、極めて難しい経営が求められるモデルだと言えるだろう。



関連エントリー:
2012/4/6 「利益モデル5. 時間利益モデル その2」


関連エントリー:
2012/3/16 「エイドリアン・スライウォツキーのプロフィット・ゾーン経営」
2012/10/21 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 1
2012/10/22 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 2
2012/10/22 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 3


 

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