2013/04/06

利益モデル5. 時間利益モデル その2


前回のエントリーでは時間利益モデルの概要について説明したので、今回は時間利益モデルを採用している企業の事例を上げてみたい。

時間利益モデルで上手くいっている企業の例はあまり多くないだろう。

どの業界でも様々な企業が日々イノベーションを起こそうとしてしのぎを削っている。
常にある企業がいつも革新的な商品を一番に市場に投入するという業界は多くない。
革新的な商品を市場に一番に投入するのは、ある時は自社であるときは競合他社というのが一般的な市場なのだ。


コンテンツ

  • 時間利益モデルとは何か (その1)
  • 時間利益モデルの条件 (その1)
  • 時間利益モデルの例

時間利益モデルの例

時間利益モデルの代表例といえばマイクロプロセッサーを開発・生産を行なっているインテルだ。

インテルの歴史をご存じない方は驚くかもしれないが、今ではCPUの代名詞のインテルは実はDRAM製造メーカーとして事業をスタートしていた。
それが80年台になって日本メーカーの低価格DRAMが幅を利かせてきたことによりDRAM事業は損失を出しつつあり、DRAMメーカーからCPUメーカーへと大きく舵を切ったのだ。
米国半導体メーカーにとってはDRAMはすでにプロフィットゾーンではなくなっていたということだ。


■革新的CPUを最短で市場へ投入し続ける■

インテルはまだDRAM事業を行なっていた当時、CPU設計をライセンス提供していたためライバル企業が自社と同等のCPU設計能力を身につけるのを防げていた。
しかし、CPU専業メーカーへと舵を切った結果、ライセンス提供を打ち切り自社で生産してCPUを販売するモデルへと切り替えた。
その結果、他CPU製造メーカーと直接競合するようになったのだ。

自社が発売する新製品を他社が素早くリバースエンジニアリングし市場に投下してくることに気づいたインテルは、開発サイクルを早めるための開発プロセス改善に多大な投資を行った。
その結果インテルは開発期間を半分ほどへ短縮することに成功し、常に競合他社に先駆けて革新的な商品を市場へ投入し続けることに成功した。
競合他社が同じ商品を投入するまでの間にインテルはプロフィットゾーンを享受し、利益を上げることができたのだ。


■イノベーションを市場に浸透させる■

インテルの戦略は製品開発で他社を出し抜くことだけに留まらなかった。
前のエントリーでも触れたように、時間利益モデルで利益を得ようとする企業は革新的な商品を顧客に素早く受け入れてもらう必要があった。
そのためにインテルはIntel Insideキャンペーンを打ち、直接の消費者であるコンシューマーへの認知度を高めた。

Intel Insideキャンペーンの趣旨は、IntelのCPUが使われているPCを推奨するもので、ある意味PCメーカーはなんでもいいと言っているようなものであった。
このため、一部のPCメーカーからの不評を買ったようだが、Intel Insideキャンペーンが浸透したおかけで消費者はCPUという部品を大いに重視するようになった。
CPUの認知度が上がったため、PCメーカーは新モデルでインテルの最新モデルを採用し、それを売り文句にするようになった。


0 件のコメント :

コメントを投稿

LinkWithin

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...