2013/04/17

国産ウェアラブルデバイスが照らす、国内電機産業救いの道



AR(拡張現実)アプリの「セカイカメラ」で有名な井口尊仁氏。
その井口氏がGoogleが開発しているグーグル・グラスに対向するウェアラブルデバイスのテレパシー・ワンを発表した。


スマートフォン利用者であれば恐らく「セカイカメラ」を知っている人も多いはず。
私も初めてセカイカメラを使ってみた時には、現実世界で見知らぬ人とシェアすることの奇妙な高揚感と空恐ろしさを同時に感じたものだ。
世界で最も優秀な技術者を上から順番に数千人連れてきたようなGoogleに対し、井口氏の「テレパシー」はわずか中核メンバー8名で開発が進められているが、米国で2014年3月に開催されたイベント「South by Southwest Interactive」ではグーグル・グラスの最大の対抗馬として注目されているようだ。

井口氏によると、テレパシー・ワンのコンセプトは日常のシーンを瞬間的に家族や友人と共有することを主要なテーマに定めている。
スマホやタブレットでは操作が多すぎて意識的にシェアしなければならないが、テレパシー・ワンではシェアするためのステップを極限まで少なくし、瞬時に共有したいことを共有できることを理想としているようだ。


テレパシー・ワンはこれはこれで今後どうなるか非常に楽しみだが、それよりも井口氏のビジネスモデルについての発言に興味が引かれた。

日経MJ 2014/4/12 P.16――――――――――――
昨日はまだ粗いが、会社設立から2ヶ月弱で試作機にこぎつけた。
「セロから開発すれば何億円も必要。でも、中核部品は日本メーカーに既にあった。量産も電機大手と組む。我々日本の優れた技術を魅力的にまとめ上げる役割です。」
―――――――――――――――――――――――

電子デバイスやエレクトロニクス製品を開発するといえば、必ず製造がセットでついて回るのがこれまでのビジネスであった。
なぜなら、開発しただけではお金にならないから、それを製品化し、量産し、販売して初めて利益を上げることができた。

しかし、現在はちがう。
開発にかかる費用が小さくなったため、自分たちは商品企画だけを行うファブレス経営が成り立つようになった。
3Dプリンターのような技術革新もこの流れを助けている。

近頃日本の電機業界は全くいい話が出てこないが、このようにベンチャーや商品企画会社とアライアンスを組み、自分たちはとにかく性能と生産効率を極めるのが一つの生き残り方なのかもしれない。
そして、ベンチャー企業は旧型の大企業という土台を活かして新たな市場を開拓する。
電機業界全体としてはこのようなアライアンスモデルを中心とした業界に変化していくことが、理想的な姿なのではないだろうか。

性能と生産性を極めるための職人は消費者に受け入れられる製品の企画力には乏しいことが多いが、製品企画力に優れるベンチャー企業や企画会社には生産のノウハウが不足している。
安くて高性能というお株はとっくに中国と韓国に奪われた今、こうした新しいアライアンスモデルで高付加価値を生み出していくのが日本の産業界のモデルケースになるのではないだろうか。

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