2013/04/22

生産年齢人口に支えられているシンガポールの経済


シンガポールの街を歩いたり、MRT(地下鉄)に乗っていて気づくのが、国民全体の若さだ。
私があまり老人が多い場所に出向いていないだけかもしれないが、全体的に非常に国民が若い。
感覚的には、街を出歩いても50代、60代以上ばかりが目立つ日本と比較すると、国民の大半が10代〜30代なのではないかと思うほどだ。


実際に生産年齢人口率を見るとその差は明らかだ。

日本の生産年齢人口率(15歳〜64歳の人口率)は64.2%なのに対し、シンガポールでは74.2%と10%も差があるのだ。
この数字は経済発展が著しいアジア諸国でも顕著な数字で、東南アジアの国々のどこよりも高い。
シンガポールは今まさに旬であることが生産年齢人口率から見ても明らかだ。


しかし、シンガポール国民の年齢のアドバンテージは必ずしも永続するものではない。
実際問題、JETROによると2025年にはシンガポールの生産人口は他の東南アジア諸国よりも下位に陥ってしまう予測が立てられている。

数字を見てみると2025年の予想生産年齢人口率は64.7%だ。
現在よりも低くなるであろう日本の59.3%と比較するとまだマシだが、だいぶ差が縮まってしまうことがわかる。
それだけシンガポールでは急速に高齢化が進むことが予測されているのだ。

一方、他の東南アジア諸国は、マレーシアが67.8%、タイも67.8%、インドネシアは69.9%でフィリピンは65.2%、そしてベトナムは69.3%だ。
つまり、全ての東南アジア諸国に逆転されてしまうのだ。
しかも生産年齢人口率を下げたのはタイだけだ。


なぜこのような事態が発生するのかというと、0歳〜14歳の若年人口の問題があるからだ。
東南アジアは現時点でまだ生産年齢に達していないが、今後生産年齢人口に至る若年層が厚い。
シンガポールの若年人口率が15.6%なのに対して、最も低いタイでも21.5%、最高のフィリピンではなんと33.5%に及ぶ。
ちなみに、日本は13.2%でさほどシンガポールと変わらなかったりする。


これらのデータが示すのは、シンガポールは今が絶頂期であって今後下がり続けるという仮説だ。
しかし、私は他の国で言えば必然的にそういう仮説になるかもしれないが、シンガポールでは必ずしもこれは当てはまらないだろうと予測する。
なぜなら、シンガポールは海外から裕福で教育水準の高い移民を集めやすくなっているからだ。

実際に移民の数は増え続けている。
1990年に外国人の比率が10.2%、永住者が3.7%だったのに対して、2012年には外国人比率が28.0%、永住者比率が10.0%で合計38%が国外から来た人々によって人口が構成されている。
移民は治安の悪化と移民に職を奪われた国民による不安を招きやすい。
しかしそこは一党独裁の超管理社会シンガポールなのだから、コントロールできるだろう。
そして、資産と収入が多い人にとって税制が有利なので、裕福な外国人を呼び込みやすい。

生産年齢人口率が減ったとしても、現在よりも付加価値が高いビジネスを拡大することで成長を続けることができる可能性が高いだろう。


0 件のコメント :

コメントを投稿

LinkWithin

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...