2013/04/30

企画家を活用するために会社がすべきこと 前編


前回のポストでは起業家型と企画家型の新規事業立ち上げスタイルについて、それぞれのメリットとデメリットについて見解を示してみた。
どちらかというと、資金集めや組織づくりに時間とエネルギーを注がなければいけない起業家型よりも企画家型のほうが、素早くインパクトの大きい事業が立ち上げやすいのではないか、だから企画家型のほうが良いのではないか、という論調になってしまった。
しかし、決して起業家型よりも企画家型のほうが必ずしも簡単に事業立ち上げができるというわけではない。
事業が成立して日々の業務が動いている会社で新規事業という異質なモノを始めようとするには、それなりに手はずを整えて取り組まなければ起業家型よりも苦労することになる。

既存企業が新規事業に取り組むにあたっては、特に経営者が留意すべき点が多い。
社内に企画家が現れるのを待っているだけでもだめだし、企画室を作りさえすれば良いという訳ではない。
私が新規事業企画室を経験して、こうした体制が整っていればもっと新規事業を生み出しやすいだろうな、と感じたことを提案してみよう。

新規事業立ち上げのために経営者が整えておくべき環境

十分なリソースの確保

資金、人材、そして次の項目であげる人脈も含め、どれだけのリソースを確保できるかで新規事業の成功確率は変わってくる。
できるだけ多くの資金や人材があれば、立ち上げの成功率は上がるだろう。

しかしながら、必要十分以上の新規事業立ち上げ資金を捻出できるほど儲かっている企業が、新規事業の立ち上げに本腰を入れることは少ない。
既存事業に暗雲が立ち込め、すでに利益が減少してあまり新規事業に資金を使えない状態になって初めて新規ビジネス立ち上げの必要性を感じるのだ。
潤沢な資金がある方が好ましいが、資金が不足している状態でこそ企画家の真価を発揮する番だ。

必要十分な資金を集めることはほとんどの場合難しいが、1つだけ絶対に必要なコミットメントがある。
それは、ある程度金をドブに捨てるつもりで、新規事業に割いた予算は企画メンバーの自由に使わせることだ。

私の経験で、立ち上がりかけの新規事業を既存事業部へトランスファーした際、この事業のために用意されたマーケティング予算があったのだが事業部長の一存で一切使わせてもらえないという事態が発生した。
事業部長としては事業部の利益目標達成が厳しい状態なので、販管費を抑えた、という至極正しいオペレーションをしただけなのだが、新規事業の場合マーケティングにかける予算が少なすぎることで露出が足りず、ターゲットユーザーへ自社商品を知ってもらうことが困難になった。
事業立ち上げは初期にこそ多くの資金が必要になるという共通認識を社内で持っていなければならなかったのだ。

社内外の人脈の共有

新しい事業が既存事業分野と異なる場合、新しく踏み出す事業領域の有識者や企業とのつながりが欲しい。
自社がノウハウを持たない事業領域の企業とアライアンスを組めれば、スピード感のある事業立ち上げが可能になるだろう。

だが、アライアンスを持ちかけたい企業に対して人脈がないとなかなか話を聞いてもらうのも難しい。
私がいた会社は大企業子会社であったため話しぐらいは聞いてくれることも多かったが、企業名にブランドがない会社はまず門を開いてもらうことすら困難だろう。
このため、社員一人ひとりがもつ社内・社外の人脈を最大限に活用することが求められる。
そのためにも、新規事業立ち上げは直接関係のない事業部メンバーにとっても自分事として捉えてもらえるように地ならしされていることが好ましい。


長くなってきたので、後編へ続きます。

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