2013/05/26

利益モデル15. 取引規模利益モデル

スライウォツキー利益モデルの15番目は「取引規模利益モデル」だ。
取引規模利益モデルはその名の通り、取引の規模が大きいほど利益も大きくなるということを意味する単純なモデルである。
意味するところは単純だが、このモデルを活用しようとするのはなかなか簡単ではない。

コンテンツ

  • 取引規模利益モデルとは
  • 取引規模利益を得るために必要なこと

取引規模利益モデルとは

もしあなたが雑貨屋だとして、顧客がボールペンを買いに来たとする。
顧客が500円のノック式ボールペンを購入した場合と、クロスの20,000円のボールペンを購入した場合、どちらが利益率、そして利益額が高いだろうか?

仮に原価はどちらも60%だとしよう。
するとノック式ボールペンの粗利は200円、クロスのボールペンは8,000円にもなる。
あとは経費がどれだけかかるかだが、ディスプレイにかかる什器や場所以外は特に変わらないだろう。
だから一つの取引が大きくなる商品ほど利益額も利益率も大きくなるというのがこのモデルの意味するところだ。
誰にでも分かる単純極まりない話だ。

さらに、ペン一本に対する什器や場所の経費は販売数が増えれば増えるほど減少してくるので、販売数が多ければ多いほど小さくすることができる。
だからできるだけ大きな取引をできるだけ多くこなすことが取引規模利益モデルの基本的な戦略になる。

取引規模利益を得るために必要なこと

規模が大きい取引を沢山こなせば良いというのは分かりやすい話だが、それを実現するのは非常に困難であることはビジネスパーソンなら誰にでもすぐに分かることだろう。

大きい取引に集中するということは自社のリソースがパンパンになるほど大きい案件のリードがあることが前提になるし、大きな案件にリソースを投入するために小さいディールを切るという決断をしなければならない。
そうは言っても、手が回らなくなるほどの大型案件のリードばかり持っていたら何も困らないし、そうじゃないから小さい案件でも拾わなければならないんだよ、という怒りの声が聞こえてきそうだ。
それは全くもって正しいクレームだ。

だから取引規模利益は小さいディールを切ることで安定した収入源を断つリスクを追う場合もあるし、大型案件がモノになるまでの忍耐を必要とする。
取引規模利益を求めるならばこのリスクと忍耐をコントロールできなければならない。


取引規模の大きなディールを集めるためには何が必要だろうか。
細かことを言えばいろいろあるかもしれないが、収束させると「買わずにはいられない商品」か「顧客との関係の深さ」のどちらかになるだろう。

顧客が欲しくてたまらない商品を作れば、高い金額でも顧客は購入するというのは分かりやすいコンセプトだろう。
その会社にしかない技術、特許、または人材でつくられた商品はやはりその会社からしか購入することができない。

次に顧客との関係の深さという要素はどうだろうか。
これまたとてもシンプルな話だが、商品が競合他社と大きく変わらないのであれば、信頼関係の深さが大きな取引を獲得するための差別化要素となり得る。
ここで言う関係性とは一義的なものではなく、営業訪問した回数も顧客を接待した数もこれまでの取引の数や質も、顧客との関係を深める全ての要素を足した総和である。

さらに、ただ信頼関係があるだけではなく信頼関係によって引き出した顧客の情報に基づいて製品やサービスを個別カスタマイズすることも成功につながる重要なファクターだ。


関連エントリー:
2013/3/16 「エイドリアン・スライウォツキーのプロフィット・ゾーン経営」
2012/10/21 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 1
2012/10/22 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 2
2012/10/22 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 3


 


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