2013/05/28

利益モデル16. 価値連鎖ポジション利益モデル


スライウォツキー17番目の利益モデルは「価値連鎖ポジション利益」だ。
価値連鎖ポジション利益モデルは、スライウォツキー博士が提唱する「プロフィットゾーン」の概念そのものとも言える重要なコンセプトなので、是非覚えておいていただきたい。

コンテンツ

  • 価値連鎖ポジション利益とは
  • プロフィットゾーンの変動

価値連鎖ポジション利益とは

価値連鎖(バリューチェーン)におけるポジショニングに優れた企業は、その業界におけるバリューチェーンの中で最も利益率の高い領域でビジネスをしている。
一つの業界をとってみても、その業界の全てのバリューチェーンに等分に利益が配分されるわけではない。

何らかの製品、例えばハンドバッグを例に取ってみるとすると、『皮革生産業者 > 皮革卸売業者 > ハンドバッグ製造業者 > 卸売業者 > 小売店』というバリューチェーンになるだろう。
このバリューチェーン全体で100億円の利益が出ていたとして、それぞれのバリューチェーンに等しく20億円ずつ利益が落ちているとは限らない。
むしろ、ほとんどの場合いくつかのバリューチェーンに利益の多くが偏在していることになるだろう。
ハンドバッグ業界のことはよくわからないが、高級品であるほど製造業者と小売に、低価格品では全体的に利益が少ないが卸売業者と小売に利益が比較的多めに落ちているのではないだろうか。

この偏りがとても大きいのがパソコン業界だ。
パソコン業界はハードウェア部品が多く、周辺機器も多いため、全体が複雑なバリューチェーンの構造を持っている。
だが、多くの利益はプロセッサーとソフトウェアに偏在している。
国内メーカーがHDDやメモリの製造から手を引いたように、最も付加価値の高いバリューチェーンを除いてはほとんど儲からないような仕組みになってしまっているのだ。

プロフィットゾーンの変動

この価値連鎖ポジション利益で留意すべき点は、プロフィットゾーン(相対的に多くの利益を生み出す場所)は競争環境によって有機的に変動するということだ。
この変動は時間とともにプロフィットゾーンをあちこちに移動させる。

10年前はプロフィットゾーンに浴して儲かっていた会社も、プロフィットゾーンが移動してしまったことに気づかずに既存のビジネスモデルを回し続けることで潤沢にあったはずの剰余金を食いつぶしてしまった例が山ほどある。
価値連鎖ポジション利益に限ったことではないが、プロフィットゾーンの変動に合わせて有機的に戦場を変えていくことが経営者には求められるのだ。


関連エントリー:
2013/3/16 「エイドリアン・スライウォツキーのプロフィット・ゾーン経営」
2012/10/21 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 1
2012/10/22 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 2
2012/10/22 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 3


 



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