2013/05/14

ブランディングのすぐそこにある罠 クロックスが見た地獄 2



前回のエントリーから引き続き、クロックスのブランディングについて。

関連エントリー:
2013/5/13 ブランディングのすぐそこにある罠 クロックスが見た地獄 1

前回はクロックスがいかにして日本でクロックスのブランドを作り上げ、他のゴムサンダルの7倍の値段で売れるようになったかについて書いた。

せっかく気付き上げたブランドをクロックスは一度破壊してしまうという愚を犯すのだが、これはクロックスに特有な失敗ではない。
どのようなブランドも同じような失敗を犯す可能性があるという警鐘を鳴らすため、クロックスの犯したミスを探求してみよう。


ブランディングを破壊する罠

2002年の創業以来倍々ゲームで売上を伸ばし続け、2007年に売上8.5億ドル、純利益率で20%というサンダルの製造販売で驚異的な数字を叩きだしたクロックス。
だが、この時既にブランディングで大きな過ちを犯していた。

毎年倍々に売上を伸ばしていたクロックスは、全世界で急激に拡大するクロックス支持者へ製品を届けるために急いで生産ラインを拡大していた。
また、ラインナップを増やし、より多くのあらたなファンを取り込もうとしていた。
経営陣は毎年で製品の生産量を2倍にして売上を2倍にすることに成功していたが、これがいかに大変な努力だったのかは製造業の経験がなくともうかがい知れよう。


しかし、この急激な生産ラインの拡大がブランドを大きく毀損し、2008年には売上が7.2億ドルへ減少し2億ドル近い純損失を出すことになった。
もちろんリーマン・ショックの影響もあっただろう。
だが、それ以上に町中に溢れかえったクロックスのサンダルは、一瞬にしてクロックスのサンダルを「クールなサンダル」ではなくしてしまったのだ。
ブランド毀損の影響は後を引き、2009年には6.5億ドルまで売上を下げることになった。




このクロックスの失敗例にあるように、ブランド価値の高い商品あはスレッショルドを越える商品供給が行われると一気にブランドの魔法が解けてしまうことがあるのだ。
そしてそのスレッショルドを見極めるのがとてもむずかしい。
特に商品が絶好調で飛ぶように売れている間は。

クロックスほど見事に短期間でブランディングを成功させられる企業は少ないだろう。
だが、ブランディングに関わるマーケターは、クロックスの恐ろしいブランド毀損という事例を覚えておいたほうが良いだろう。


ちなみに、クロックスはわずか2年でこの窮地から再建に成功し、10億ドルを越える売上まで再成長していることを付け加えたい。

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