2013/05/03

利益モデル8. 起業家利益モデル その1


東南アジア旅行のため一時中断していたスライウォツキーの利益モデルシリーズ。
久しぶりに復活します。
これまでレビューしてきた7つの利益モデルは以下のエントリーからご参照頂きたい。

利益モデルのエントリー:

さて、今回は利益モデル8の「起業家利益モデル」を見てみよう。
この利益モデル、実はこれまで見てきた7つの利益モデルとは大きく異る利益獲得モデルなのだ。
7番目までの利益モデルでは、利益を得るための具体的なビジネス戦術のモデルだったのだが、8番目の利益モデルでは企業運営の方法によって利益を増幅させるモデルだ。

コンテンツ

  • 起業家利益モデルとは何か
  • 利益に影響をもたらすベンチャー企業と大手企業の違い
  • 起業家利益モデルの実例

起業家利益モデルとは何か?

書き出しでも述べたが、起業家利益モデルは具体的なビジネス戦術ではなくて、企業運営による利益増幅のモデルである。
ベンチャー企業特有の企業運営を敢えて行い、ベンチャー企業が利益を得る方法で利益を生み出すことが目的だ。

では、ベンチャー企業特有の特徴とは何か?
これについては次の項目で具体的な特徴について触れよう。

ベンチャー企業の起業家的企業運営で利益を生み出すと書いたが、なぜその企業運営が利益につながるのか?ということについて説明が必要だろう。
起業家的企業運営方法が利益を生み出すのに適した状況は、主に次の二つの状況が考えられる。

一つは、官僚組織的な大企業が市場のマジョリティを占めている場合だ。
官僚的大企業が市場を独占しているような状況下では、消費者は不満を持っていることが多い。
大企業はめったに消費者の声に耳を傾けることはなく、製品ラインナップやバリエーションは消費者のニーズを反映したものではなく、顧客とは関係のない大企業の内部事情を反映したものになりがちだ。
こうした市場では消費者は潜在的に新たな市場参入者を歓迎する下地が出来ていると言える。
起業家が大企業とは違う消費者のニーズにマッチした付加価値を提供できると、一気に大きなパイを奪うことができる。

他にもベンチャー企業は大手企業に対するアドバンテージがある。
それは、企業運営コストを低く抑えることができるということだ。
大企業になり官僚的な文化が蔓延してくると、次第に社内の治安維持を司る管理本部が力を持ち余計なプロセスが増える運命にある。
そうすると大企業は規模のメリット以上に規模のデメリットでコストが増加してしまうのだ。
一方懸命な起業家は、コストを常に最小限に抑える努力を怠らず、利益が出たからといってすぐに消費に回さずビジネス拡大のために再投資する。


起業家的企業運営が利益をもたらすもう一つの状況は、まだ確立されていない未知の市場で新たな事業を興そうとする場合だ。
ベンチャー企業は大企業よりもリスク指向性が高く、意思決定も早いため、まだ淡い可能性しか見えない市場でも果敢に市場開拓にトライする。
最終的には大手企業が資金力に物を言わせて競争が激化することになるが、先行した起業家は先行者利益やその市場で確固たる地位を築くことが可能になるのだ。

起業家利益モデルを採用する企業は先にあげたような企業運営方法で大企業の鼻を明かし、利益をかっさらっていく。
ベンチャー企業は選択する余地なく起業家利益モデルで勝負しなければならないが、資金力と人材のある大企業があえてこの手法を選択することでライバルを出し抜くことも可能だろう。
大企業の分社化やカンパニー制というのは、この起業家利益モデルを実現するためのフレームワークと言えるのではないだろうか。


次回へ続きます。


関連エントリー:
2013/5/3 「利益モデル8. 起業家利益モデル その2」
2013/5/4 「利益モデル8. 起業家利益モデル その3」
2013/3/16 「エイドリアン・スライウォツキーのプロフィット・ゾーン経営」
2012/10/21 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 1
2012/10/22 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 2
2012/10/22 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 3


 



photo credit: JD Hancock via photopin cc

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