2013/05/11

リブセンスの祝い金の二つの意味

リブセンスは若干25歳にしてマザーズ上場を果たした村上太一社長で有名な、求人情報ウェブ「ジョブセンス」を運営している会社だ。
既存のアルバイト・パート向け求人情報誌の常識を打ち壊す、成果報酬モデルをベースにしたビジネスモデルで業界大手の企業に切り込んだ。

成果報酬のため成約率が低くなる代わりに、業界大手とはちがって営業社員を置かないことで販管費をかけないビジネスモデルで大企業の鼻を明かした。
なんとも昨今の起業家のお手本とも言えるような戦い方ではないだろうか。
この戦い方が見事だったもので、このブログでも以前取り上げたことがある。


リブセンスの面白いところは成果報酬の他にもう一つ、「採用祝い金」という仕組みがある。
中でも「採用祝い金」という制度があり、この制度がジョブセンスで二つの意味で重要な役割を果たしている。
この二つの重要な役割について取り上げてみたい。


1. 求職者の流入

これまでの求人メディアで、アルバイト・パートに応募して採用されると祝い金が出るなんてシステムがあっただろうか?
求職者にとって、求人メディアに対してほとんどこだわりはないはずなので、同じバイトであれば祝い金のあるジョブセンスから申し込みたいはずだ。
もし私が求職者だったら、他の求人メディアで見つけたバイトであってもジョブセンスで探し、ジョブセンスから申し込んだだろう。

採用祝い金は募集するバイトによって差があり、500円〜数万円というレンジがあるようだ。
たとえ数千円だとしても、求職者はジョブセンスを選ぶ可能性は高い。
求職者にたいして分かりやすいインセンティブを用意することで、求職者と掲載企業を集める。
これが採用祝い金の第一の目的だ。

ちなみに採用祝い金は別途リブセンスが採用企業に要求しているわけではない。
あくまでも成功報酬で企業からいただく金額から採用者へ分配しているだけなのだ。
他の求人メディアも同じ仕組で祝い金を提供することは可能だが、営業員という大きな販管費を抱えているから実現できない。
競合が真似できないこのスイートスポットを見つけたところが、村上太一社長のすごいところだ。


2. 報酬取りっぱぐれの防止

採用祝い金のもう一つの重要な役目は、報酬とりっぱぐれの防止だ。
掲載時点で報酬が発生する既存の求人メディアとことなり、ジョブセンスは採用決定時に企業から申告いただく必要がある。
だが、少なからぬ企業が報酬の発生を免れようと、採用決定を通知しないこともあるだろう。

採用広告の中で、メールや電話で採用申し込みをしようとしたアクションを記録する仕組みなども設けているが、100%正確ではないだろう。
そこで登場するのが採用祝い金だ。

採用祝い金は採用が決定した求職者が申し込むものだが、企業がジョブセンスへ採用決定の通知を怠ったとしても、採用者から採用通知の連絡が来る仕組みになっている。
採用企業が採用をひた隠しにしたいとしても、求職者が祝い金欲しさに採用の連絡をしてくる。
実にクレバーなしくみではないだろうか。

企業からの報酬と採用者への祝い金の金額は比例しているだろう。
だから、採用者があまり採用祝い金に魅力を感じない金額の場合はジョブセンスにとっても大した報酬ではない。
だが、報酬が大きい場合には祝い金の金額が大きいため、採用者が連絡してくる可能性が高い。
これも非常に良くできた仕組みだ。


リブセンスがもてはやされる理由は村上太一社長の若さだけでなく、既存大手の競合企業が非常に戦いにくい仕組みを作り出したことにある。
新規事業開発担当の私としても、このビジネスモデルを分析していると一種の美しさすら感じます。

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