2013/05/05

美容エステ業界のクーポン中毒



あなたはグルーポンのようなクーポンサイトやホットペッパーのようなクーポン雑誌を利用したことはあるだろうか?
こうしたメディアを見ていただくとすぐお分かりになるだろうが、非常に美容・エステ関係のクーポンが多いのだ。
もちろん飲食店や英会話学校などの利用も多いのだが、美容・エステの方が多く目につく。

美容エステ業界がなぜこれほどクーポンを使用するのかについて考えてみよう。
そして、クーポンに頼りきりになることの副作用についても考察してみたい。


なぜ美容・エステ関連のクーポンが多いのか

この問いに答えるには、まずクーポンを企業が利用するメリットについて考える必要があるだろう。

企業がクーポンを利用するほぼ唯一の目的は、新規顧客の開拓だ。
八百屋やスーパーのような商圏の狭いビジネスであれば新規顧客の開拓はチラシが有効になるだろうが、美容やエステのような商圏よりも顧客層がキーになるビジネスの集客では集客のためのメディアが重要だ。
大手の企業であればファッション誌や女性誌に大々的に広告を出して集客をすれば良いが、中小企業は予算的にこれが難しい。
そこで中小企業が目をつけたのがクーポンだ。

クーポンサイトやクーポン雑誌では価格の安さを武器に多くの新規顧客を獲得できる可能性がある。
中小企業は広告に多大な投資を打つことは困難だが、顧客がクーポンを行使するたびに成果報酬ベースで広告宣伝費を捻出することは可能だろう。

美容関係のクーポンはどれも70%OFFが当たり前の状態で、さらに7割引きされた売上の半分をクーポンサイトなどに支払うことになるそうだ。
つまり、クーポンで集客した場合は正規価格の15%の売上しか入らない。
しかし、美容・エステは通常一度の来客で施術が全て完了することはほとんどなく、顧客の生涯価値(その顧客から得られる売上の総額)から考えるとこの広告宣伝費は高いものではない。

このため多くの美容・エステ関連の中小企業はクーポンサイトやクーポン雑誌を利用するのだ。


クーポン頼みの新規顧客獲得の副作用

美容・エステ関連中小企業にとって、クーポンというシステムは優れた新規顧客獲得ツールである。
だが、クーポンに頼りきることによるデメリットも厳然として存在する。

まず、他の多くの同業者もクーポンを利用することによる過当競争だ。
エステサロンや美容サロンは従業員数名の非常に小さな企業が多いため、どの企業も広告を打てるほどの宣伝広告費を捻出することが難しい。
このため、否が応にもこの業界ではクーポンを利用する企業が多くなり、競争が加熱してしまう。
そうすると値引き競争になり、どの企業もクーポン行使時の赤字は顧客の生涯価値で回収できるギリギリの金額に近づいてゆくことになる。


もう一つ副作用をあげるとするならば、新規顧客獲得をクーポンに頼りきることにより、自力で新規顧客を獲得する能力を失うことだ。
クーポンは網を張りたい顧客層に対して置網をセットしておくことが可能であり、比類ないほど便利な仕組みなのだ。
しかし、クーポンに新規顧客獲得を頼りきりになってしまうと、自分たちで新規顧客を開拓する意欲を失ってしまう。


いかがだっただろうか。
一時よりも下火になったネットメディアでも、いまだに美容・エステ関連のクーポンは非常に多い。
飽和状態に達した美容・エステ関連クーポンが、今後どのように変化していくのかを引き続きウォッチしてみたい。

0 件のコメント :

コメントを投稿

LinkWithin

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...