2013/06/06

利益モデル20. 相対的市場シェア利益モデル

スライウォツキー利益モデルの20番目は「相対的市場シェア利益」だ。
相対的市場シェアは、ビジネスに携わる人なら誰でも知っている、規模の経済により利益を得るモデルだ。
規模の経済というと、大口購入で原材料費が下げられるというのが一般的な解釈だが、その効果は原価の低減に留まらない。

相対的市場シェアを高めることによる効果を見ていこう。

相対的市場シェア拡大の効能

前述のとおり、まず市場シェアでトップの企業は原価低減という特権を与えられる。
あるマーケットで相対的シェアがトップということは、原材料や中間財を仕入れるボリュームが最も大きいので、よほど購買担当者が怠けなければ競合他社よりも良いディールで原材料を調達することができる。
プロダクトにもよるが、原材料は売価の数十パーセントを占めているのだから原材料費低減によるアドバンテージは数パーセントの利益率改善と同等だろう。

相対的シェアがもたらすメリットは間接費にも及ぶ。

1ユニットのプロダクトを製造するのにかかる人件費は相対的シェアナンバーワン企業とそれ以外の企業の間でさほど変わらないだろう。
だが最も多くの製品が売れている企業は、競合よりも生産ラインに従事する人材の数は多い。
生産ラインで働く人材は入れ替わりが多いため、新たに採用された人材を一人前に育て上げる教育システムの効率性はコストへのインパクトが小さくない。
相対的シェアが大きければ、教育システムに投資をしても製品1ユニットあたりの教育システム負担割合は当然競合よりも小さくなるので、この点でもシェアが大きい企業は有利になる。

同じ理由で宣伝広告費や研究開発費も相対シェアが大きければ大きいほど製品1ユニットあたりの負担額が小さくなる。
これらを積み上げると、マーケットで首位の製品は首位であるというだけで利益に数パーセントの特権があるということだ。


他にも定性的なメリットも存在している。
例えば、マーケットでトップである企業には、2位以下の競合よりも優秀な人材を集めやすいだろう。
優秀な開発者、優秀な営業、それに優秀な経営者も集まってくる。
PLではその効果を見ることはできないだろうが、長期的にその企業にもたらす価値は計り知れない。


関連エントリー:
2013/3/16 「エイドリアン・スライウォツキーのプロフィット・ゾーン経営」
2012/10/21 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 1
2012/10/22 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 2
2012/10/22 「プロフィット・ゾーン経営戦略」ノート 3


 


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