2013/06/01

新規事業の企画はピボットで


どんな新規事業を始めるのであっても、普通は事業アイディアを形に落とした事業企画書を書く。
細かく章立てされた何十ページ、何百ページの企画書の場合もあれば、1枚ペラの企画書の場合もあるだろう。
企画書の厚みと内容はいろいろな条件によって変わるだろうが、いずれにせよ企画を紙に落とすという行為は必要だ。

だが、新規事業の企画というものは、初めに立てた企画がその事業の完成形であることはまずない。
事業化を進めていく中で、確実にどこかの段階で修正と方向転換が必要となるのだ。
私は新規事業畑にきてまだ3年のキャリアしか無いが、どんなに優れた新規事業のプロであっても初めの一発で事業の完成形を企画書に描ける人なんていない。
新規事業のプロは、むしろ早く失敗して早く修正することに長けている。


新規事業のプロは、仮説を立ててからリサーチを行い、素早くテストマーケティングを行い、テストマーケティングから得られた知見を元にプランを練り直し、またテストマーケティングを行なって事業アイディアを現実に近づけていく。
この作業は、まるでバスケットボールで言うピボットと同じだ。
バスケットボールのルールではボールを持って3歩以上歩くと販促になるが、軸足が動かなければ、もう片方の脚が何歩ステップを踏んでも反則にはならない。
この軸足をしっかり保ったまま体制を変えるピボットというテクニックは、新規事業アイディアのコアは変えないままテストマーケティングから得たフィードバックを元に事業の進め方を有機的に変えていく行為に似ている。

だから新規事業畑の人たちはよく「ピボットしなきゃな」なんて言い回しをする。
シリコンバレーで言われている「リーン・スタートアップ」や「スモール・ベット」といわれる考え方だ。





失敗しながら新しいWebサービス作り上げてきた起業家の例を一紹介しよう。
WantedlyというソーシャルリクルーティングFacebookアプリを立ち上げた仲暁子氏だ。

仲氏はFacebookの日本法人立ち上げに関わったという経緯もあり、ソーシャルのパワーに可能性を感じ、何かサービスを立ち上げたいと考えていた。
まず最初に立ち上げたのは、「リアQ」というソーシャルのプラットフォーム上で友達に質問できるサービスだ。
だが、このサービスは"質問できる"という漠然としたコンセプトだったため、周りからの反応も芳しくなかったようだ。

そこで、今度は人探しサービスに価値を集中させ、「イモヅル」という意味するところがわからんでもない絶妙なネーミングのサービスを立ち上げた。
「人のつながりで人を探す」というコンセプトだったようだ。
さらにコンセプトに磨きをかけ、「一緒に何かをする仲間探し」という価値に絞り込んだ結果、いまの「Wantedly」というサービスが生まれたのだ。


新しい事業の企画というものは、机に座ってウンウン唸って考えていれば素晴らしいものができあがるものでは決してない。
アイディアを作ったら早く試して、失敗して、そこから学んでまた市場に問うていくものなのだ。

参考:


photo credit: wvs via photopin cc

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