2013/06/18

新興国ビジネスで気をつけるべきマクロ課題

ソブリンリスクや人件費、物価の高騰リスク、また、反日教育による反日思想というリスクを目の当たりにし、日本の企業の目は中国から東南アジアに集まり始めている。
私も企業内で事業開発屋としてASEAN諸国でのビジネス展開を企画しているのだが、魅力的な市場である反面、いろいろ難しい事情もある。

実際に自分で調査をしていて気づいた、新興国をマーケットとして参入しようとしている企業が気をつけなければならないマクロな課題を取り上げてみよう。

マーケットの成立
新しい新興国へ日本企業が進出する場合、ほぼ確実に最初に進出するのは製造業だ。
なぜなら、製造業は進出初期段階では新興国をマーケットとしては見ておらず、安価で豊富な労働力のある場所と考えるからだ。

一方、小売やサービス業が新興国へ進出するとき、それは新興国をマーケットとして見るということだ。
新興国をマーケットとして進出するには、送り込もうとしている商品やサービスに対するニーズが存在していることが前提となるが、実はこの条件が満たされていないことが多い。

先進国企業が新興国マーケットに製品を紹介しようとするとき、企業はやがて新興国の人々がその潜在的なニーズに気づくことを期待して、マーケットの掘り起こしを行う。
社会の発達度合いや都市部の発展を見てそのニーズが何年後にマーケットとして成立するのかを予想することは可能だろう。
だが、常にそのマーケットが成立しないのではないか、人々がニーズを感じないのではないかというリスクというか不安があるものなのだ。

宗教や文化に起因するリスク

この国ではニーズがあるのにあの国ではそのニーズが成立しないという状況は、宗教や文化に起因している可能性が高い。
都市化や所得といったパラメーターは十分にある製品が普及するのに必要なレベルに達していたとしても、その製品を使用することが宗教的、文化的なタブーなのだとしたら全くビジネスは成立しないだろう。
宗教と文化はマーケット成立のノックダウンファクターになりえる。

例えば、軽自動車は米国で全く見向きもされない製品であるし、逆にピックアップトラックは日本で相当な物好きしか乗らない製品グループだ。
これは、道路事情や燃費に対する意識という環境や価値観という文化的な側面にマーケットが制限されていることに起因している。

ASEAN諸国で言えば、仏教の国もあればイスラム教の国もあり、言語もそれぞれに異なる。
これらの文化的、宗教的要素は常にマーケット成立の可能性を算定する上で念頭に置いておく必要があるだろう。

政治的なリスク

政治的な要素もノックダウンファクターとして常に意識しなければならない。
成立させたいと考えいているマーケットが明示的に法律で禁止されている事柄を含んだり、税制や資格制度などで実質的に制限されてしまう恐れがあるかもしれない。

先の軽自動車とピックアップの例を考えてみよう
米国産の大型ピックアップトラックは、非常に燃費が悪い。
ガソリン価格が米国より数段高い日本では、さらに燃費・ガソリン価格比率が悪くなるので大型ピックアップトラックが流行らないのも無理は無いのだ。

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