2013/06/22

新しいサービスも新規事業もきっかけは圧倒的な洞察から



新たなサービスも新規事業も、その種は顧客に対する圧倒的な洞察にある。
顧客の目線で顧客のペイン(商品にたいする不満や物足りなさ)を拾い上げると新たなサービスや事業のヒントになることが沢山あるのだ。

タクシー業界のという古い業界で何十年も生まれなかったイノベーティブな新サービスを例に、顧客に対する洞察がいかに大切か見てみよう。


2002年の規制緩和によりタクシー業界は自由に新たな事業者が参入できるようになった。
バブル崩壊以降はタクシー利用者がコンスタントに減っているのに参入者が増え、一気にタクシー業界の収益性は悪化した。
自由化は仕方ないことだが、結果的にタクシー業界は低賃金で長時間労働で体力的にきついブラック業界になってしまった。

業界としてはずっとサービスの内容に変化がなかったタクシー業界だが、日本交通はそんなタクシー業界に新たな変化の風を巻き起こした。
皆さんもご存知かもしれない、スマホのタクシー配車アプリを初めて業界で作ったのは何を隠そう日本交通だ。
スマホの配車アプリが初めて登場したのは2011年のことだが、2012年に早くも5億円の売上を配車アプリ経由で達成した。

なかなか必要なときにタクシーがつかまえられないというのは誰しもが一度は感じた悩みだろう。
誰もが感じる悩みだが、何十年も解決されることはなかった。
だが、さすがというか、マッキンゼー出身の川鍋社長は業界の他の経営者たちとは違い、スマホという新しいテクノロジーを活用することでずっと未解決であった問題に解決策を提案した。

日本交通はさらに利用者のペインを解決する新たなサービスを次々に生み出している。
例えばスマホアプリに登録しておいたクレジットカードで自動決済できる仕組みだ。

このサービス、子を持つ主婦のニーズを捉えているのだという。
なぜなら子供の塾や習い事の送り迎えにタクシーを使いたいが、大金やカードを持たせるのは心配だから。
そんな親心に対する鋭い観察眼があったからこそ、このサービスは生まれた。

エッジの効いた新しいサービスをどんどん生み出しているANZENタクシーでは、時間料金制でお年寄りのお墓参りの送迎と介助をするサービスを提供している。
ニッチではあるが、このサービスも日本交通と同じように「なんで今まで放っておかれたのだろう」と思える利用者のペインを解決している。
これもお墓参りに向かうお客さんを観察していた運転手のアイディアから生まれたのではないかと推測する。


日本交通もANZENタクシーも今までに業界になかったサービスを顧客のニーズに対する鋭い洞察から生み出している。
恐らく一番顧客に近い運転手が「こんなサービスがあったらあのお客さんはもっと喜んだのになあ」というような日常の発見から生み出されたのではないだろうか。
新しいサービスでも新規事業でも、種はいつもとは言わなくても現場に落ちていることはとても多い。
オフィスにこもりがちなマーケティングや事業開発・事業企画の人たちはこの教訓を忘れてはいけない。


photo credit: Thomas Leuthard via photopin cc

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