2013/06/03

新規事業アイディアをマーケット視点でふるいに掛ける



ブレインストーミングして出てきた新規事業アイディアをどのように評価すべきだろうか?
新規事業を企画する部門の人たちにとっては共通の悩みだろう。

3Cなり4Pなり必要に応じてフレームワークを活用してジャッジすることもあるのだろうが、中でも事業のスケーラビリティと収益性を規定するマーケット視点でまずふるいにかけるべきだろう。
私の経験から、マーケット視点で事業企画をジャッジするときのフレームワークを提案したい。
企画が次のいずれかの4つの原則に符合しているかを考えるといいだろう。

  • これから成長拡大するマーケット
  • 主要プレイヤー達に隙があるマーケット
  • 隣接するバリューチェーン
  • 全く新しいマーケット

これから成長拡大するマーケット

まず、強力な競合がひしめく上に縮小傾向にあるマーケットをターゲットとした事業企画は筋が悪い。
例えば、日本の若者人口の増加や所得の増加を前提としたビジネスアイディアなんかがそうだ。
マーケットのパイが縮小しているのにその市場競合が沢山いるようでは、よほどイノベーティブなアイディアでなければビジネスの成立自体が困難だし、事業が立ち上がったとしても大きなシェアを獲得することは難しいだろう。

同じ商品やサービスでも、ターゲットを新興国の若者と捉えるならばそれは筋の良い新規事業になりえる。
マーケットリーダーがいたとしてもマーケット自体が広がっているので参入の余地は十分にあるからだ。

また、意外と忘れられがちだが問題となりえるのが、自社がシェアでナンバーワンを持っている市場だ。
同じマーケットで新しい製品やサービスを投入しても、売上と利益の拡大をもたらす可能性は低い。
むしろ自社の別事業と共食いする状況になってしまい、会社の存続に関わる問題を引き起こすかもしれない。
だが、イノベーションが自社のマーケットを覆い尽くそうとしている場合は、あえて共食いしてでも自社内でそのイノベーションを活用した新規事業を立ち上げなければならない時があるだろう。
出版社と電子書籍がまさにその関係だろう。

主要商品の課題解決を必要としているマーケット

成長拡大が見込めないマーケットであっても、現在の主要プレーヤーの製品・サービスに顧客が感じている不満を解決できれば、一気にマーケットシェアを奪える可能性がある。

だが一つ注意点がある。
既存の製品やサービスの問題点を必ずしも顧客が認識しているとは限らないという事だ。
むしろ顧客は問題点に気づいていないことがほとんどだが、実は存在していた問題を指摘して解決してくれる製品やサービスが出てくると急激に今利用している製品やサービスに不満を感じ始めることがある。
そこに大きなビジネスチャンスがある。

実はイノベーティブと呼ばれるビジネスのほとんどはコレだ。
書籍を書店で探すのが大変だ、何冊も買うと重くて持ち帰るのが大変だという隠れたニーズに対する答えが書籍のECサイトを立ち上げたAmazonであったし、曲を一曲ごと買えればいいのに、視聴して欲しい曲だけ買いたいというニーズに対する答えがiTunesであった。

隣接するバリューチェーン

自社があるマーケットである程度のシェアを獲得している場合、その周辺ビジネスへ侵攻していくのが新規事業の常套手段だ。
自社がビジネスを展開している業界のバリューチェーンを描き、既存ビジネスの前後から参入できる領域が見つかるだろう。
また、顧客にとって代替手段となっている商品へ参入するのも手堅い事業展開方法だ。

一つ例を上げれば、自動車メーカーが自動車購入時に消費者が必要とするリース・ファイナンスの領域に踏み込むのは新たなバリューチェーンへの侵攻であり、自動車を所有することの大体となるレンタカーやカーシェアリングへの参入は代替手段マーケットへの侵攻だ。

全く新しいマーケット

ニッチなアイディアも、実は世界を変えるほどのポテンシャルとスケーラビリティを備えている可能性はゼロではない。
アントレプレナーはすでにそこにあるマーケットではなくて、これから自分が作り出すマーケットを考えてビジネスを立ち上げる。
だが、それだけの先見性を備えているのはごく一部の優秀なアントレプレナーだけだろうし、狙ってできるようなものでもない。
しっかりと地に足の着いた企業の中で新規事業を企画するような場合、アントレプレナーのように新しいマーケットを作り出そう!と意気込んでもそんな冒険を許してくれる会社はないだろうが。


photo credit: El Bibliomata via photopin cc

0 件のコメント :

コメントを投稿

LinkWithin

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...