2013/06/03

支払う人を変えて閉鎖された市場を拡大する



昨日のエントリーで縮小するマーケットを相手にした新規事業企画は成長が望めないと書いた。
しかし、工夫次第で一見縮小し続けるしかないように見える市場でも、成長の可能性が隠されている。

参考: 

学研ホールディングスの例から、その可能性の本質を探ってみよう。


日経MJ 2013/6/3 P.11―――――――――――
学研ホールディングス(HD)は外部の交流サイト(SNS)を活用し、高齢者をターゲットとした楽習塾や教材の販売を始める。―(中略)―シニアの利用が増えているSNSで自社の商品とサービスをアピールし、孫向けに教材・塾費用を支出する3世代消費を喚起。将来の教育事業の先細りに備える。
――――――――――――――――――――――


学研の試みは、商品とターゲットはそのままでPU(Paying Unite=支払う人)を変える試みだ。

商品を変えてもそれが大きなレベニューの増加につながるとは限らない。
いくらプロダクトディベロプメントとマーケティングを上手く実行したとしても売上が増えないことがある。
それは、マーケットそのものが制限要因になっている場合だ。

学研のターゲットは子供向けの教育教材や教育プログラムの販売だが、マーケットは成長しているだろうか、それとも縮小しているだろうか?
誰でも答えられるだろう。縮小している。

下表を見ての通り、人口動向を見ても子供の人口は減り続けるトレンドを示しているし、市場動向を見てもマーケットサイズが継続的に減り続けていることが分かる。


教育業界動向(出展:株式会社ベネッセホールディングス ホームページ)



人口推移(出展:総務省)


マーケットが縮小している以上、よそからパイを奪ってくる血で血を洗うゼロサムゲームにならざるを得ない。
業界2位の学研ならまだしも、業界シェアトップのベネッセホールディングスはいくらシェア拡大に腐心してもせいぜいゆるやかな成長にしかならない。


そんな中、学研の試みはおもしろい。
マーケット、つまり親が子供の教育にお金をいくらかけるかは頭打ちだが、祖父母には孫の教育にお金を出す意欲も余裕もあると読んだのだ。
業界や商品を変えないまま、マーケットの新しいセグメントを発見したのだ。


もちろん教育業界では祖父母の財布を狙ったマーケティングはこれまでも行なってきただろうから、このニュースはさほど目新しいことではないだろう。
だが、PUを変えることで新しいマーケットが切り開けるかもしれないという視点を引き出しにストックしておけばいつか役に立つかもしれない。


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photo credit: Mrs eNil via photopin cc

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